1泊100万円超のホテルに泊まる外国人観光客の移動手段とは?

観光庁の発表によると、2024年1月から10月までの訪日外国人客数が過去最速のペースで3000万人を突破した。

訪日観光客が増える中で、あまり議論されてこなかった課題があった。

「東京には5つ星ホテルが多数あり、宿泊料も高騰する中、1泊100万円を超えるハイグレードな部屋が満室になることも珍しくありません。そういった富裕層も、移動する手段は基本的にはタクシーしかないんです。一般的なタクシー運転手は英語などの外国語を話すことはできませんので、特に空港とホテルの往復で難儀します。荷物が多く、また、空港に着く前にここだけ寄ってほしいという要望に一般のタクシーでは対応できないのです」

さらに、ホテル側にもハイヤーの予約がしにくい事情がある。

「ハイヤーの予約は弊社の場合、メール・電話・FAXのいずれかの手段で発注していただく必要があり、また、前日の予約など急な要望にはほとんど対応できません。加えて、最低利用時間が2時間からと設定されているため、短時間利用はできないのです」 

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海外の富裕層が帰国の2日前にホテル側にお願いすれば利用できる道理ではあるが、そのシステムは理解できないだろう。

そもそも車内決済の必要がなかったり、企業に契約してもらうことを前提にしたシステムのため、時代に適さない非効率な配車システムが未だに残されているのだ。

この課題に対応するため、大和自動車交通はニューステクノロジー社と提携し、2024年11月から都内のホテルを通じた訪日客向けハイヤーサービス「TOKYO CHAUFFEUR SERVICE」を開始した。