斎藤氏の誕生日にプレゼントが殺到…

「merchuは広島県などからもPR事業を請け負ってきた会社です。社長の折田氏は選挙期間中YouTubeで『人生過去一忙しい』『(知事選で)広報全般を任せていただいておりまして』と発言しています。これほどの労務の提供が全部タダだった、というのはかなり苦しい気がしますね」

そう話す地元記者は「でも、よく考えたら斎藤氏が前期に知事を失職した遠因には、視察先での過剰な“おねだり”が問題化したこともあったくらいですからね」と続ける。

その言葉通り、県議会の調査特別委員会(百条委)が7、8月に行った県職員のアンケートでは、斎藤氏が視察時、業者や生産者組合が用意した特産品を同行者の分まで持ち帰ったとする証言が多く寄せられた。(“おねだり疑惑”について斎藤氏は否定)。

一方、知事選中は斎藤氏フィーバーともいえる人気の中で、おねだりではなくプレゼントを巡って騒ぎも起きていた。陣営関係者が話す。

斎藤氏のユーチューブより
斎藤氏のユーチューブより

「投票2日前の11月15日は斎藤さんの47歳の誕生日で、前日くらいから女性を中心に花やプレゼントの攻勢がすごくなったんです。

誕生日当日の夜は姫路での演説でしたが、規模が千人を超えるほど大きくなり、有権者の輪に入って握手をして回る斎藤さんにも次々とプレゼントが押し寄せました。

その時、選挙カーから女性運動員がマイクで『法律の関係もあるのでプレゼントは控えてくださるようお願いします』と呼び掛けたんですね。それを聞くなり、車のそばにいた別の運動員の男性が『よけいなこと言うな』と車内に向かって怒鳴って、女性運動員を黙らせちゃったんです。

怒鳴り声は響き渡って、私も含め車の周囲にいた者はドン引きでした。「スタッフの多くは選挙未経験の“素人集団”なので“『もらえるものはもらっとけ』っていう感覚もあったんでしょう」(陣営関係者)

11月15日の斎藤元彦氏の誕生日に選挙の演説会場で掲げられたお祝いの言葉 撮影/集英社オンライン
11月15日の斎藤元彦氏の誕生日に選挙の演説会場で掲げられたお祝いの言葉 撮影/集英社オンライン

候補者へのプレゼントは選管に届けるなどすればほとんどのものは認められる。

ただ、別の陣営関係者は「選挙ではその前から、手紙に始まりいろんな贈り物が斎藤さんに渡されていました。ありがたいんですけれど、安全面もあるし、原則的にはお断りしようと事務所内で話が回っていました。姫路での演説会は暗かった上に逮捕者も出るなど混乱したので、事前の申し合わせ通り贈り物は辞退すると呼びかけただけ。なんで怒鳴る必要があったんですかね」と指摘する。