転売ヤーにとって、日本は商材の宝庫?
――中国の取材をしていたのがきっかけということで、この本には中国の事例が多く取り上げられてますね。
それもありますが、中国人転売ヤーにとって、日本には大きなビジネスチャンスがあると考えているようです。
――ビジネスチャンスといいますと……。
中国でお金を持っていても日本のようには購買意欲をそそられるような商品が少なく、意外とお金の使い道がないんです。入手経路がなく、手に入れたくても手に入れられないものも多い。
だから、めずらしい・品質がいい・ラインナップ豊富な日本の商品を、何倍の値段でも買い集めたいという人が多いわけです。
さらに、人口が多いから市場が大きいですよね。日本では商売が成立しないニッチな趣味であっても母数の人口が桁違いなので、趣味人口が日本よりずっと多くなります。
例えば、最近は中国でもレトロ趣味が流行っていて、カセットテープなんかは値段が上がっています。かつて1500円程度で売られていたマクセルの最高級モデルなんか、1本が3万円以上で取引されることもあります。
つまり、中国人から見たら、日本は転売商材の宝庫なわけです。しかも、日本の小売店は実勢価格をつけずに定価で売るのが普通なので買い付けも容易です。それが日本に中国人の転売ヤーが多い理由です。