地域別最低賃金は毎年大幅に引き上げ

これを受けた中央最低賃金審議会においては、大臣の諮問文の中に「現下の最低賃金を取り巻く状況を踏まえ、成長力底上げ戦略推進円卓会議における賃金の底上げに関する議論にも配意した、貴会の調査審議を求める」という異例の文言が入りました。

これに対し、使用者側委員から、初めから引上げありきの一方的な審議ではなく、冷静な議論、実態を踏まえた議論をすべき等の意見が出されましたが、結局八月一〇日に、例年よりもかなり高めの引上げ(Aランクで一九円、Bランクで一四円、Cランクで九-一〇円、Dランクで六-七円)で決着しました。

なお、継続審議になっていた最低賃金法改正案は上述のように二〇〇七年一一月二八日に成立し、その施行は二〇〇八年七月ですから、二〇〇八年最低賃金からが改正法に基づく最賃決定になります。

その後、二〇〇八年のリーマンショック、二〇一一年の東日本大震災という逆風にもかかわらず、地域別最低賃金は毎年大幅に引き上げられていき、二〇一四年には生活保護との逆転現象も解消しました。しかし、二〇一七年三月の『働き方改革実行計画』でも、年率三%程度を目途に引き上げていき、全国加重平均一〇〇〇円を目指すという目標を掲げています。

新1万円札 (写真はイメージです)
新1万円札 (写真はイメージです)