萩生田氏に“ダブル”でまとわりつく裏金問題
政界筋によれば、A氏は萩生田氏の国会事務所と地元八王子の事務所の双方を仕切る大番頭だ。「Aさんは今回の選挙でも選対の表の顔で、高市氏らの応援を取り付けたりマスコミ対応にも自ら当たったりしていました」と選対関係者は話す。
犯罪は成立するが裏金の額などを考慮して刑事処罰を求めることを猶予するとした東京地検の判断に対し、東京第五検察審査会は「(2728万円の不記載額は)一般的な感覚からすれば極めて高額であることから、被疑者(A氏)も刑事責任を負うべきである」「悪質性は相当程度高い」と言明し、地検の判断基準に異議を唱え、再捜査を求めている。
第五検審は1542万円の裏金が問題になった旧安倍派の世耕弘成氏(今回衆院選で当選)に絡んでも、同氏の政治団体「紀成会」の会計責任者でいったんは不起訴になったB氏について、同じ理由で不起訴不当の議決を行なっている。検審の考えとして、少なくとも1542万円以上の裏金を手にした議員の会計責任者は処罰されるべきだと示しているともいえる。
萩生田氏周辺のざわつきはこれだけではない。実は上脇博之教授は今年1月、自民党東京都連に関連する「自由民主党東京都支部連合会」と「東京都議会自由民主党」の2団体も東京地検に告発している。
「20万円を超えるパーティー収入の一部の収入明細が不記載になっていたからです」と上脇教授は話す。
「問題の時期に都連会長を務めていたのが萩生田さんです。この件ではすでに地検特捜部が都連事務局幹部から事情を聴いていると聞きました。
捜査がどこまで進んでいるのか分かりませんが、旧安倍派と同じ構図だと確認できれば立件しないわけにはいかないだろうとみんな噂しています。“東京都連版のパー券裏金問題”の幕開けではないかということです」(都内の自民党関係者)
「司法の判断を受けて、すべての修正を終えてやり直しをする」と有権者に誓った萩生田氏だが、やり直しどころか裏金問題は“ダブル”状態でまとわりついている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班