「弱ってるときにくるのが一番キツイ」
――ポスターのことはどうして知ったのですか?
入江慎也(以下、同) 吉本の後輩と友達3人ぐらいから「こんなひどいの貼ってますよ」ってLINEが来たんです。2019年の8月とか9月、(吉本を)契約解除になってすぐくらいですかね。
「訴えたほうがいいっすよ。やりたい放題じゃないですか」って言われたんですけど、僕も騒動の真っ只中で迷惑かけたばっかりで、怖くてちょっと動けないなと思ったんです。「納得いかないでしょ」って言われたんですけど「辛いけど、無理だわ。ありがとう」って返したんですよね。
コロナになって、1年間アルバイトして清掃会社「ピカピカ」を起業しました。その間も複数の友達から、別々の店で「まだ貼ってある」と聞きました。最後に去年、友達からLINEがきて「まだ貼ってるよ。これひどいよね。入江さんも今違う仕事してんだし風評被害もひどいんじゃない? 剥がしてもらったほうがいいんじゃない?」って知らせてくれたんですよ。
コトが大きくなるのも嫌だったけど、さすがに我慢の限界でした。そこで内容証明を送りました。謝ってほしい、ぐらいの気持ちで「やめてください」っていうくらいの内容でしたが、無視されたんです。
――それで裁判に?
悔しかったですね。「闇営業」って(みられる)のを僕は払拭したくて清掃をがんばってたとこもあるんで。
会社も今は社員が14名いるから、社員のお母さんとかに「闇営業の社長のとこで働いてんの?」と言われるのも申し訳ないと思って。それでさすがに「裁判起こさせてください」って加藤博太郎弁護士にお願いしたんです。
――こうした裁判では比較的高額の90万円の和解金支払いという決着になりました。
裁判所は僕の主張を理解してくれたのだと思います。
僕は今では芸能の仕事をしてないですが、講演会に呼んでいただいたりYouTubeに出させていただいたりはしているので、写真を撮られたり名前が出たりするのは覚悟してるんです。でもこんないじられ方すんのは……。
やっぱ吉本辞めてから、人間的に弱ってるときにくるって、キツいなと思いましたね。現役のときならまだいいですけど。吉本を契約解除になって1人だっていうことを向こうもわかってんじゃないかなと思います。おもしろがってやってるだけだってのはわかるんですけど。でも当の本人には辛かったり、いろんなことは思いますよね。