八木原容疑者の父親は事件に対し…
そして凄惨な事件が起こった。
「主に誰が暴行を加えたかなどはこれからの調べ次第ですが、6人は共謀して長谷さんの顔などを殴って外傷性ショック死するに至らしめた。
長谷さんは全裸の状態で見つかっており、周囲には身分証や財布、スマホなどがなかった。道警は6人がこれらを奪って逃走していたとみて調べを進めたところ、現場から徒歩で帰宅した八木原容疑者を除くメンバーで、長谷さんのキャッシュカードを使ってATMから現金10数万円を引き出していたことが判明したのです。
別れ話のもつれから『成敗』したというだけでなく、この機会に乗じて長谷さんからキャッシュカードなどを奪い、暴行・脅迫のうえ暗証番号を聞き出し、死ぬことを予見して身ぐるみ剝いで放置したとすると、ストーリーが全く変わってきます。
調べは強盗殺人容疑を視野に入れて進み、起訴段階では強盗殺人や詐欺など罪名がいくつか加わる可能性があります」(同前)
傷害致死の量刑は3年以上の有期懲役だが、刑法240条に規定される強盗致死罪や強盗殺人罪の罰則は死刑または無期懲役である。
無軌道な若者たちが犯した罪は、自分の命をもって償わなければいけない重罪の可能性があるということである。
いずれにしても、そのきっかけを作ったのは長谷さんと交際していた八木原容疑者に間違いない。釧路市の実家を訪ねると、インターフォン越しに父親とみられる男性が言葉少なに応じた。
「色々本当に申し訳ございません。今弁護人さんにお願いしてることもございまして何もお答えできないです。大変申し訳ございません」
父親の声は、明らかに憔悴していた。娘から何か相談があったこともなく、事件のこともネットニュースで知ったという父親は、彼氏がいたことすら知らなかった。
「私はごめんなさい、父親として、何も知らなくて、お恥ずかしながら……」
娘の「親友」であるはずの川村容疑者の存在も知らず、父親はこう繰り返した。
「本当に申し訳ないと思ってます。ごめんなさい……」