与党過半数割れ目指し立憲もラストスパート
衆院選の投開票日を目前にして、自民党内で内紛が起きているような状況なわけだが、永田町関係者は「今回の問題が選挙戦の情勢に与える影響は大きい」と語る。
「そもそも石破首相は裏金議員に対して厳しい措置をとるということで、金額が大きかった議員や、処分が重かった議員を中心に非公認としたわけだ。
にもかかわらず、裏で金を渡していたということになれば、石破首相の対応は単なる見せかけで、言っていることとやっていることが違うという話になる。今回の報道で国民の自民党への不信感はますます高まっている」(永田町関係者)
自民党関係者からも「接戦区を軒並み落とすことになりかねず、自公で過半数割れした場合に備えなければならない」という声が挙がっており、党内では石破首相と森山幹事長が連立政権の枠組みの拡大について相談したという情報も飛び交っている。
一方で野党は、陰りを見せる自民党に対して最終盤の追い上げに励む。
立憲民主党の野田佳彦代表は選挙戦最終日の26日、地震や豪雨による被災が重なった奥能登を含み、立憲の近藤和也氏と自民の西田昭二氏が接戦を繰り広げる石川3区で応援演説をしたあと、東京の接戦選挙区を回る予定だ。
立憲関係者は「今回の衆院選は自公を過半数割れに追い込む最大のチャンスだ。過半数割れとなったら法案や予算案を通すにも野党の協力が必要となり、これまでのような政権運営とはいかなくなる。野党の存在感をしっかりと示せるような選挙結果にしていきたい」と意気込んだ。
裏金問題による逆風の中、2000万円問題も重なり、窮地に立たされている自民党。
接戦や苦戦となる選挙区が増えていると見られる中、その結果は一体どうなるのか。
今後の政治を大きく左右する国民の審判の行方に、注目が集まっている。
取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班