当の枝野事務所にコメントを求めると…

ただ、この日、枝野“切り取り”発言について問いかける集英社オンライン編集部の記者に西村氏は最後まで無言のままだった。

ならばと発言を切り取られた枝野氏に所感を求めてみた。すると、枝野事務所を通じてこんなコメントが――。

「人の言葉を都合よく切り取り、真意を歪め、それを使って選挙を戦う。恥ずかしいと思わないのでしょうか?

西村さんは裏金ではなかったと主張されているようですが、裏金も虚偽記載も罪の重さは同じ。自民党から党員資格停止の重い処分が下された理由をもう一度考え直されたほうがよいと思いますよ」

西村氏の発言切り取り行為に、枝野サイドはかなりの不快感を覚えているようだ。

若年層から握手を求められる場面も(撮影/集英社オンライン)
若年層から握手を求められる場面も(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

 さて、注目の選挙情勢だが、裏金問題での潔白アピールも功を奏しているのか、多くのメディアが西村氏優勢を分析する展開となっている。

実際に西村氏が街頭演説に立つと、あちらこちらから聴衆が10人、20人と集まり、握手と写真撮影をねだる人が絶えない。

さすが当選7回の選挙強者。その大物感はまだまだ健在といったところだ。

西村氏の演説を聞いていた明石市在住の50代男性が言う。

「本人が反省して、ゼロからの再出発と言うてはるからね。そこをみんな信じているから、街宣にこれだけ人が集まるんやと思います」

石破首相は裏金問題で処分された議員について、「当選すれば、政府・党の役職への起用を適材適所で検討する」と表明している。

はたして西村氏は非公認のハンデを乗り越えて当選を果たし、ふたたび自民党のメインストリームへと返り咲くことができるのだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班