約20人の警察ともに帰宅した宝田容疑者
「宝田容疑者は調べに対し、税金の滞納が数十万円あったために短期で稼げるバイトをSNSで探し、『ホワイト案件』という投稿に反応して応募したものの、途中で犯罪に加担する『闇バイト』だったことに気づき恐怖を感じたと供述しています。
指示役に個人情報を知られていたため自分や家族も報復される危険性があったため計画を抜けられなくなり、事件の現場では秘匿性の高い通信アプリで指示役と繋いだままで、実行犯は自分の他に2人いたと自供しています」(社会部事件担当デスク)
宝田容疑者の実家に取材に訪れると、同居していたという祖父は重大事件を起こした孫についてこう頭を下げた。以下は全て祖父の激白だ。
「被害者の後藤さんには本当に申し訳ない思いです。真月も闇バイトだと途中で気が付いたということでしたが、いくら家族に危害を加えると脅されていたとしても、気づいた時点で私たちに言ってくれたほうがよかった。その結果、私たち家族に危害が加えられたとしてもそのほうがよっぽどマシだった。本当に申し訳ないとしか思えません」
事件の直前直後、真月容疑者に特段変わったところはなかったという。
「事件の前後、真月に怯えたりおかしな素ぶりはなく、ふだん通りに生活していました。なので、私も最後に会話を交わしたのがいつかはっきり覚えてないくらいです。週6日、朝5時30分すぎに家を出て『おはよう。行ってくる』と職場に向かう真月に、私が『いってらっしゃい』と声をかけていましたが、それ以外に何か話した記憶がありません。
真月は14日の夜10時ごろ、祖母である私の妻に『出かける』と家を出ましたが、もう大人だし夜にコンビニなどに行くことはふだんもありましたので、行き先などは尋ねておりませんでした。しかし……」
真月容疑者が帰宅したのは16日の明け方だったという。
「これまで2日間も家をあけるということは一度もなかったので、珍しいなとは思いました。16日の明け方の帰宅時は祖母と顔を合わせ、風呂に浸かってから仕事にいったと聞いています。その後も真月は毎朝同じように仕事に出かけましたが、19日の土曜日は朝7時ごろに警察の方たちと一緒に真月が家に戻ってきたんです。
車庫にいた私は、何事かと身構えたところ『神奈川県警です。内容の詳細はお知らせはできないのですが』と言っていました。県警の人たちは総勢20人近くいて、みなさん家の中に入っていきました。大ごとなのは一目瞭然で、『まさかあの横浜の事件か……』と頭をよぎりはしました。真月は淡々としているというか、取り乱している様子はありませんでした」