女性にとって出会い喫茶は好都合

女性たちのプロフィールカードには「食事・お茶・お酒・カラオケ」などさまざまな“デートプラン”に丸がついていたが、スタッフは、「だいたいパパ活ですから」と意味深な発言をする。

約10分ほど店内を見渡したが、長考する客が多いのか、自分より先に入店していた男性は全員動く気配がない。

彼らを横目に、「21歳・学生」、「30歳・会社員」といった女性の中から、アリアナ・グランデ似の「24歳・音楽関係」という女性を指名した。

そのまま、カーテンで仕切られたファミレスのボックス席ほどの、2人用の狭い個室へ案内される。ここで話がまとまれば退室料を払い、店外で“自由行動”の流れだという。

写真はイメージ
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女性が「こんにちは~」と明るく入室してくる。さっそく取材のため一緒に退室したいとの希望を伝える。ちょうど早めの夕食時だったこともあって女性も納得してくれ、近くの飲食店へと向かった。

彼女はとても明るく、あけすけで、まずは実年齢が35歳と10以上サバを読んでいたことをぶっちゃける。また、音楽関係というのは前職であり、児童向けに簡単な音楽を教えていたことや、出会い喫茶に流れてきた理由も語ってくれた。

「“長めの夏休み”かな。いろいろやってきて疲れたから、今は仕事をしてなくて。でも、ただ生きていくだけでもお金は減っていくから、ちょっとでも貯金が減るのを遅らせようと、出会い喫茶に来ている感じ。

ペースでいうとだいたい週1くらいで、本当に休みつつ、気が向いたら出てる。私、若い頃からキャバクラとか10年以上やってたからけっこう貯金があって、金欠になるまではこの生活でいこうかな(笑)」

女性いわく、出会い喫茶は女性側にとって、気軽に稼げるツールだという。

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 「出会い喫茶って、最初に身分証出して登録さえすれば、あとはいつ出入りしてもいいんだよね。だから起きてから『今日は行こうかな』って決めたりできるし、お菓子・飲み物が飲食自由でスマホの充電もできるから、家にいるのと変わらないのに稼ぐ機会になるの。

途中で飽きたら帰ればいいし、交渉成立ならお金になって、都合に合わせやすいのが他の業界と違うところかな」

“出会い”でいえば、近年、パパ活などの手段として、若い女性はマッチングアプリを用いるケースが少なくない。こうしたなかであえて出会い喫茶を選ぶのはなぜか。

「アプリと違うのは手っ取り早さ。アプリだとマッチしてメッセージして会う約束して……って面倒だけど、出会い喫茶なら会うのも交渉もその場でしょ? あとは『この人はきしょいからムリ』って思ったら断れるのもすごくメリット」

取材を終えると女性は再び出会い喫茶へ戻っていった……。