麻生氏・茂木氏の「裏切り者」は重用も、自身の「裏切り者」は無役に 

こうした「冷や飯」生活に加え、石破氏自身が「飲み会をするよりも本を読みたい」と語るほど人付き合いにドライなこともあり、石破グループのメンバーは年々減っていった。

その中には岸田派に移った田村憲久氏や、今回の総裁選で小泉進次郎氏についた齋藤健氏、加藤勝信氏の推薦人となった山下貴司氏など、政策通も多くいた。

しかし、彼らは組閣・党役員人事で重要ポジションに登用されることはなかった。一方で、何度も自身の推薦人となってきた村上誠一郎氏、赤澤亮正氏らは入閣を果たした。

「麻生氏や茂木氏の『裏切り者』や自身の数少ない仲間は積極的に登用する一方、『自分を裏切っていった人間は許さない』という思いがみてとれます。露骨な『お友達人事』に党内は早くも不満タラタラで、石破氏は四面楚歌です」(自民党関係者)

それでも政権を維持していくためには、国民世論を味方につけることが必須だ。しかし、石破政権は国民からも「四面楚歌」状態に置かれてしまうかもしれない。

「総裁選中に述べていた『予算委員会で、政権は何を目指すか示したうえで国民に信を問うべきだ』という発言を早くも覆し、予算委を開かず衆院を解散する方針を明らかにしました。党内だけでなく、国民からもそっぽを向かれてしまっては、痛い目を見るのでは……」(同前)

総裁選当日、「勇気と真心をもって真実を語る自民党を作っていく」と決意を述べた石破氏。再び「冷や飯」食いの憂き目をみることなく、自民党を再生させることができるか。

石破氏(本人SNSより)
石破氏(本人SNSより)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班