麻生氏、茂木氏の「裏切り者」が重要ポジションに

さらに注目すべきは、麻生派を退会した阿部俊子氏が文科相として入閣したほか、最終的に取りやめになったものの、阿部氏と同時期に麻生派を退会した御法川信英氏も入閣が検討されていたことだ。

これらの人事は、石破氏から麻生氏へのあてつけとみられている。

「御法川氏は麻生派を退会した直後、麻生氏によって国会対策委員長代理のポジションから外されそうになりました。

結局、野党との難しい調整を円滑に進めるために残留となりましたが、麻生氏の怒りは強く、麻生氏の息がかかった政権では入閣は難しくなっていました。

今回、御法川氏は最終的に、旧統一教会との関係を追及されることを懸念して入閣を辞退したそうですが、麻生氏との関係が悪い石破氏としては、御法川氏を入閣させようとすることで麻生氏に喧嘩を売った形です」(御法川氏周辺)

御法川氏(本人Facebookより)
御法川氏(本人Facebookより)

一方、岸田政権では三頭政治の一角をなしていた茂木氏率いる旧茂木派も非主流派に回った。茂木派からは加藤勝信氏が財務相として入閣したが、加藤氏は総裁選にも出馬して茂木氏と戦った立場。

それ以外には旧茂木派からの入閣はなかったうえ、麻生派と同じく、茂木派を退会した人物が入閣や官邸・党執行部入りした。

「加藤氏は総裁選で推薦人20人を割り込む16人しか議員票を獲得できず、最下位に終わりました。それにもかかわらず、加藤氏が超重要閣僚である財務相として入閣。

さらに、茂木派を退会した小渕優子氏が組織運動本部長に、青木一彦氏が官房副長官になりました。茂木氏としては面白くないでしょう」(自民関係者)