ホテルは宿泊客以外も出入り自由な状態だった

このホテルでは昨年8月20日に16歳の少女が、今年9月1日に10代の男女が、さらに同月20日に19歳の男女が飛び降りており、いずれも命を落としている。

昨年8月は屋上からフェンスを乗り越えて、今年9月の2件は最上階の12階の非常階段から飛び降りたとされている。ホテルの担当者に事故の詳細を聞いた。

飛び降りが相次ぐ歌舞伎町の某ホテル
飛び降りが相次ぐ歌舞伎町の某ホテル
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「昨年8月20日の事故は宿泊者ではない外部の方でした。今年9月1日は宿泊者で、20日に起きた事故は宿泊者であるかどうか不明の状態で捜査中です。

まずは亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。しかしながら飛び降りは無関係な人を巻き込んでしまう可能性がある非常に危険な行為であり、絶対にやめていただきたいと考えております。

従来より、警察と協力・連携して防止対策を行なってまいりましたが、警察から助言や協力依頼があった事項にとどまらず、お客様とホテル周辺の安全性の向上・確保のためさらに踏み込んだ対応を行なう予定です」

だが疑問なのは、なぜ宿泊者ではない外部の者が屋上や非常階段に入れるのだろうか。

これにはこの建物の構造に理由がある。歌舞伎町のトー横キッズの生態に詳しいライターのツマミ具依氏が言う。

「ここのホテルは1階がエレベーターの入口で2階が受付という構造上、宿泊者でなくても上のフロアに上がれる仕組みになっています。

また、今年9月に起きた2件の飛び降りは12階の非常階段からですが、非常階段のドアの鍵のカバーを誰かが壊した形跡があり、誰でも出られる状態になってました。

非常階段のドア
非常階段のドア
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 さらに、トー横キッズたちは歌舞伎町を練り歩く中でどの建物が屋上まで上がれるかなどを熟知しており、それぞれ“お気に入りの風景”があるほどで、中でもこのホテルは簡単に上がれる建物として出入りするキッズたちが多かったのです」