日清食品に問い合わせてみると…
しかしいったいなぜ、“ほぼ松茸”などというややこしい商品を作るに至ったのか。
日清に開発の裏話などについて質問を送ると、日清食品HD広報部の担当者から以下のような回答があった。
「『特上 カップヌードル』は、“いつもよりワンランク上のスープと具材が味わえる”ことをコンセプトにした商品です。
お客さまに“特上”を感じていただける素材として松茸が候補にあがりましたが、本物の松茸を使用するのはコスト的に難しいので、まるで松茸のような食感と風味を再現した“ほぼ松茸”を開発することにしました。
食べやすいサイズでありながら、松茸らしい食感や味わいを持たせることに最も苦労しました」
“ほぼ〇〇”といえば、お正月の高視聴率番組『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)によく登場し、美食家の芸能人の舌を見事に欺いている。
こちらの番組では、水産練製品・惣菜の製造販売を手掛ける「カネテツデリカフーズ」の商品がいつも使われているが、今回の“ほぼ松茸”は、日清がこの極上カップヌードルのために独自開発したものだそうだ。
実際にこのカップ麺を食べてみると、味のベースは「カップヌードル」の醬油という風味だが、確かに「特製松茸風味オイル」を入れることによって、一気に松茸っぽい匂いが充満し、味にも上品さが生まれている。
また、“ほぼ松茸”こと味付きエリンギに関しては、定番具材の“謎肉”やエビほどに激しい主張はしてこないものの、口の中で麺やほかの具材と混ざり合うことによって、和風味になったスープとのバランスを保ってくれているように思える。
ネット上で評判を見ても〈変に凝らずにシンプルに松茸の匂いがするカップヌードルで美味かった〉〈ホントに松茸の匂いがする。というかこれ永谷園のお吸い物の匂いだ…〉〈予想以上にちゃんと松茸が香ってる…!〉〈想像以上に松茸の香りが強すぎて翌朝まで家の中松茸なの企業努力すごすぎる〉と上々のようだ。