「この中に斎藤夫婦はいますか?」と写真を見せられた

関係者が特に異常性を感じたのは、妻の智華容疑者の方だったという。

「旦那に関しては終始、怒鳴っているわけでなくたまに普通に話ができるタイミングもあるのですが、嫁は電話口の横から、『てめーのところ燃やすぞ』『さらっちまうぞ』『ぶっ殺すぞ』から、果てには『お前の娘さらって嫁にいけない体にすんぞ』などと叫び続けていました。異常さを感じさせる声色で、ゾッとしましたよ。

なので旦那に『ウチの娘をさらうとか、ぶっ殺すとか怖いです』と言うと、『そんなことは言っていない。あれは嫁の心の叫びだ』と意味不明の否定をしましたが、認めれば脅迫していることになると思っていたのかもしれません」

他にも今回のトラック運転手相手に起こした事件を連想させる出来事もあったという。

「旦那から電話がかかってきた時に、横から『グオオラアアアア』といった感じの嫁の怒声が聞えてきたので『奥さんが横で何か言っているようですが…』と言うと、『心配するな。お前には言っていない。今、サービスエリアでちょっと揉めてんだよ』と言っていました。

これは後から報道を見て思ったことですが、それこそ飛び石で揉めるという事件を起こしている最中ではなかったのかなと思っています。

自ら反社を匂わすこともありましたよ。私に対して『お前、ヤクザ者と付き合いとかあんの?』と聞いてきたので否定すると『ほんとにねえのかよ。組織名とかまで言いたかねえけど、俺は頼むとこあんだよ』とも言っていました」

そんなやり取りが10日近く続いて困り果てたカーショップ関係者が、弁護士を通じて「ありもしない傷の損害など払えない」と裁判所に申し立てをする と、電話はピタっと鳴り止んだという。

「警察署にも脅迫として被害届を出しにも行きましたよ。その際に警察から『この中に斎藤夫婦はいますか?』と30名ほどの写真を見せられています。2人の写真は防犯カメラなどの映像ではなく、正面を向いた写真でした。これまでにも色々やらかしてきたのかな…と感じました」

だが、斎藤夫妻とのやりとりはこれで終わらなかった。

「その後、電話がなくなったと思っていたら、今度は旦那が弁護士をつけて、『車両に傷をつけられ損害を被った』として反訴してきました。傷の見積をとって680万円請求してきていますが、当然ですがこんな事実はありませんし、こちらも弁護士も『こんなことがまかり通るはずがない』と言っています」

斎藤容疑者のフェラーリと智華容疑者
斎藤容疑者のフェラーリと智華容疑者
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斎藤夫妻がここまで無茶苦茶な要求を続ける理由について、カーショップ関係者はこう類推した。

「きっとお金が目的でしょう。豊洲のタワマンに住んでいると言っていましたし、フェラーリについてもローンが残っていたのを車検証で確認しました。頭金も払わずにローンを組んでいるとのことだったので、安く見積もっても月々20万円の支払いはあったはず。

それに、身につけていたハイブランドやロレックスが本物なのかわかりませんけど、嫁は『よく銀座で買い物してる』なんてことも言っていましたから、お金はいくらあっても足りなかったんじゃないですかね。

それで飛び石がはねたと難癖をつけて得た免許証のデータで詐欺までやってたんでしょう。ほんとフェラーリ乗りの風上にも置けないやつですよ」

虚飾にまみれた斎藤夫妻の犯罪ロードは強制終了させられた。その軌跡をたどれば、今後、被害者はさらに増えるかもしれない。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班