「老人天国!?の巻」(ジャンプ・コミックス24巻収録)

今回は、両さんが訪れた銭湯での老人たちとのふれあいを描いたお話をお届けする。
……とはいっても、ほっこりするような感動系のエピソードではなく、どちらかといえば裸の男たちによるドタバタ劇なので、念のため。

本作が描かれたのは、今から40年以上前となる1981年。本作を読むと、早い時間の入浴なせいもあるが、銭湯にいるのがみごとにジイサマばかりなのだ。仕事をすでにリタイヤしているか、あるいは地元で商売をやっている人々なのだろうが、この時代でももう地域に密着した生活をしている人の多くは高齢者だったとうかがい知ることができる。

ちなみに、作中で両さんも述べているが、銭湯は庶民の社交場の役割を担っていた。だが、半世紀に渡って銭湯が減り続けているのも事実。高齢者が日常的に集う場所が、医療機関の待合室やショッピングモールの休憩スペース……というのも、いささか寂しく感じてしまう。行政との連携によって、高齢者を対象とした入浴料の負担を減らす補助制度が設けられている銭湯も多い。なんとか、できるだけ長く営業を続けてほしいものだ。

それでは次のページから、シニアが集う下町の銭湯でのお話をお楽しみください!!