ワールドカップではゴミ拾いで話題になった日本人だが…

昨年は特に、いたるところでゴミがポイ捨てされている様子がSNSに投稿・拡散され、物議を醸すことになった。

打ち上げ会場近くの押上や浅草などでは報告が相次ぎ、ネット上では〈どこまでこの国の民度は下がってるのか?〉〈サッカーのワールドカップでゴミ拾いをする日本人は民度が高い!ってやってたけど、自国の花火大会ではやらないんですね〉〈そもそも都市部で花火大会をやるのが間違っているような気がします〉といった苦言が相次いだ。

昨年の花火大会直後の様子 (写真/@NaokiN_0さん提供)
昨年の花火大会直後の様子 (写真/@NaokiN_0さん提供)

会場近くのマンションの管理人をしている50代男性に話を聞くと、やはり毎年のゴミ問題には悩んでいるようだった。

「普段も植え込みとかに空き缶とかを捨てられているんだけど、花火大会のときはやっぱり特にヒドいね。この辺は道路にシートを引いて花火を観る人もいるくらいだけど、そのマナーったらないね。飲んだ缶とか、カップのコーヒーを置きっぱなしで。

まあ、大なり小なり覚悟はしているけど、花火大会開けの月曜日に出勤してくるのは毎年怖いよ、めちゃくちゃだよ。目に余りすぎちゃうね。私は数年前からこのマンションを担当しているけど、引継ぎのときにも、この花火大会のことはしっかり言われたね」(50代男性、マンション管理人)

昨年の花火大会翌日の浅草の様子 (写真/柏原収史さん提供)
昨年の花火大会翌日の浅草の様子 (写真/柏原収史さん提供)
すべての画像を見る

一方で、このマンションよりもさらに会場近くに進んだ、大通り沿いに面した喫茶店で40代女性に話を聞くと、意外にも「ゴミ問題ではなにも困っていない」という証言があがってきた。

「この辺は花火大会当日は道路を封鎖して歩行者天国になっています。そして墨田区からの委託で、町内会に段ボールが配られており、そこにゴミを捨ててもらうようにと花火大会前に路上に設置しているんです。

花火大会が終わった後はそれを墨田区が回収してくれるというのをやっているので、道路にゴミが……というのはほぼないです。店の前にゴミがあるということもないですね」(40代女性)

この近くのマンションの管理人に話を聞いても、やはり花火大会でのゴミ問題に困ったことはないとの話を聞けた。

「もう15年近くはここらへんで管理人をしているけど、ゴミ問題で困ったことは、過去に一回しかないよ。10年前くらいかな、雨がすごい降って花火大会が中止になったんだけど、その次の日に来たら、新品のまだ封を開けていないブルーシートと、これまた新品の缶チューハイや缶ビールが敷地内に置かれていたんだよ。缶は10本くらいあったから、家に持ち帰って冷蔵庫に冷やして飲んだよ。もったいないからね。

まあでも、人の混雑が凄くてまいっちゃうことはあるね。港区のマンションと掛け持ちで管理人をやっていた頃、花火大会当日の夕方に港区からこのマンションに来ようと思ったら、混みすぎてるし、道路は封鎖されているしで全然たどり着けないもんだもん。だから私はこの辺から歩いて40分くらいのところに住んでるけど、毎年、花火大会は家でテレビ中継を見てるよ。高橋英樹と娘のやつね」(60代男性、マンション管理人)