企業にとって収益拡大のカギとなるファンマーケティング
人口減少社会の日本にあっては、顧客自体が物理的に減っていく。そうした中では、継続的に自社の商品やサービスを手にしてくれるリピーターや、商品に愛着を持つファンをいかにつくっていくかがマーケティング上の重要課題だ。
ファンを軸にしたマーケティングをもう少し説明すると、その特徴は、まずファンである彼ら・彼女らは単なる購入者以上の存在で、ブランドや製品に対して深い関与とエンゲージメント(関係性)を持っているということだ。このエンゲージメントを高めることが企業にとって収益拡大のカギになる。
また、ファン同士は集まって、コミュニティーを形成することも多い。だから、ブランドはコミュニティーをサポートし、双方向のコミュニケーションを取る必要がある。それによってエンゲージメントが高まっていく。
こうしたマーケティングのメリットは、持続的な収益を担保し、口コミ効果で新たな顧客を獲得できる可能性を持つ。そして、ファンからのフィードバックや要望は、製品開発やサービス改善のヒントになることが多い。
一方、ファンはブランドに対して高い期待を持っているため、製品やサービスに問題があると、その失望感も大きくなる。ブランドにとっては継続的な努力やコミットメントが必要になるわけだ。
「認知」から「推奨」へつながるカスタマージャーニー
グミ市場の拡大は、各ステージで変化する消費者ニーズや価値観に応え、テクノロジーの進化を取り入れることで、顧客志向のアプローチを強化してきたたまものと言える。
デジタル時代は、認知(Aware)→訴求(Appeal)→調査(Ask)→行動(Action)→ 推奨(Advocate)の5つの「A」を消費者はたどっていくとされる。
こうしたカスタマージャーニーの理想は、そのブランドを認知した人すべてがそれを推奨している状態だ。だが、それは現実には難しい。認知している顧客を推奨まで誘導するためには、時にブランドの弱点をさらけ出すことも必要になる。