より生活に馴染むことを目指した治療器
コリコランワイドをここまで薄型に軽量化するために、開発、設計には苦労したという。
「装着していることを感じさせないくらい、生活に馴染んでいつのまにか肩こり治療ができる商品を目指して開発が始まりました。」(清水さん、以下同)
コリコランワイドは12個の高周波デバイスがコリのポイントにフィットして、患部の血管を拡張し、コリの原因である血行を促進。低周波のようなピリピリした刺激がないので、長時間装着できるのがポイントだ。
また、社内外の重度の肩こりの人たちとモニター評価を繰り返し、高周波デバイスの最適な数や配置を見つけ出したそうだ。
「肩こりの原因となる僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋にしっかりとアプローチできるよう、12個の高周波デバイスをシート状に最適配置しました。これにより面で肩周りの血行を促進し、コリを改善します。」
さらに、どれだけ装着感をなくし、ストレスなくつけられるかも苦労した点だ。
「はじめはネックスピーカーや首にかける扇風機のような形状も考えましたが、服の下に装着することを考えると難しいですし、どうしてもつけているという違和感が出ます。そこで服の下につけても誰にも気づかれずにコリの治療ができるものというコンセプトをもとに設計、開発に取り組みました。」
薄さを実現するためにリチウムイオン電池には厚さ約0.45㎜のパウチ型電池を採用。
高周波デバイスの基板部分には厚さ約0.1㎜の基板を使い、本体の厚みが最大8㎜、重量約39gという薄型軽量化を実現した。
「コリコランワイドは、切欠きをいくつか入れるデザインで独特の形をしていますが、これも、首から肩までフィットさせるために工夫したことです。さらにアタッチメントの生地もサラっとして体に自然に馴染み、厚みがでにくい圧縮工法を採用しました。」
さらに装着したときにずれたり、落ちたりする心配がないように、胸部には重りとマグネットが入っている。
「マグネットが鎖骨に当たらないようにする、なるべく重さを感じないように、かつバランスがとれる重りの配置についても何度もモニター調査をして、調整しました。」
確かに記者が家事をしたり、動いたりしても落ちないし、外出するときは紛失が心配だったのでマグネットで固定したが、ストレスなく使えた。
おすすめの使い方を訊くと
「できるだけ長時間装着いただきたいですね。最大12時間使用することができるので、朝から装着いただいて仕事が終わって帰宅するまで使えます。入浴前に外して、夜間に充電し、また次の日の朝から装着するという使い方をしていただくのがおすすめです。
別売りの腰のアタッチメントを使えば、腰にも使えます。パソコンやスマホの普及、運動不足の生活習慣により、肩コリはもはや国民病のようなものです。また、弊社の調査でも、肩コリは仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすことがわかっています。この商品を使っていただき、少しでも肩コリや腰痛のつらさの改善のお役に立てればと思います。」
マッサージでもみほぐしたくらいでは、解消しないバキバキの肩コリの改善には、手軽に使用できるこういった高周波治療器で、じっくり血流を改善したほうが楽になるように思った。
取材・文・一部撮影/百田なつき