自分の痛みに向き合う表現は過去の追体験
――そうした楽曲を作る上でMIYAVIさん自身の苦しみや痛みに向き合うのは、身を削るような作業では?
いや……僕は、自分の中にある弱さや闇、特に小さい頃に感じたことを掘り返しながら楽曲を作って、パフォーマンスしていくわけですけど、それを追体験としてとらえていて。今はそれを俯瞰して見る余裕もあるし、自分に戻ってくることもできる。だから、どこかで過去の自分を演じてるのもかもしれない。そこは俳優業をやってるのが活きてるのかもしれないけど、昔あったものも含めて、自分の中の感覚や気持ちを掘り起こして、今の自分というフィルターを通して表現するという感覚に近いのかな。
――どう生きるのか、どう自分と対峙するのかという、誰にとってもパーソナルなテーマを描いているものの、メロディや音や歌はスケールが非常に大きいですよね。
本当ですか? 作っていると客観的に見られなくなるから、このアルバムが、ずっと聴いてくれているファンとか、新しくMIYAVIを聴く人たちにどう聴こえるのかやっぱりわからないんですよね。今回、全編英語ですし。ただひとつ言えるのは、自分の中で新しい境地にたどり着けたアルバムだとは思っています。