「高学歴ゆえの繊細さ」とどう向き合うべきか
ここまでの話を踏まえると、考えておかなければならないのは、
「高学歴は怒られ慣れていない場合が多く、慣れるまでは自分の過失を認めなかったり、こちらに対して攻撃的になったりしてしまう場合がある」
ということです。もちろんどれくらいの人に当てはまるかはわかりませんし、学歴だけが関係する話ではないとは思うのですが、しかし僕の所感を言えば、「高学歴は怒られ慣れていない」という特徴があると、自信を持って言えます。
その上で、高学歴と一緒に仕事をする側ができることは何なのでしょうか?
僕が考えるに、
・「高学歴に何か指摘をする際には、『バッド』ではなく『ベター』を伝えること」
・「高学歴に対しては、指摘した後に落ち込んでいないかを特に念入りに確認すること」
この2点です。
まず、「『バッド』ではなく『ベター』」というのは、簡単な言い方の問題です。
「ここがダメだったね」「ここはよくないね」という言い方でダメ出ししてしまうと、高学歴の人は「ダメだったんだ……」と、普通の人よりも過度に、否定されたような気分になる場合があります。
ですから、「ここ、もっとこうすればよりよいものになると思うよ」「ここの部分だけ、こうしてほしいな。それ以外は大丈夫」というように、同じダメ出しでも「よりよくするために」という言い方をするのです。
「テストでは100点満点を取りたい」と考えている高学歴に、「あなたのテストは100点じゃなかったよ」と言ってしまうと、たとえそれが99点であってもストレスを感じます。それよりも、「100点満点だけど、120点にする回答はこうだよ」と言ってあげた方が、心地よく話を受け止められる場合が多いんです。
ですから、「よりよくするために」という語り口を、ぜひ心がけてあげてください。
文/西岡壱誠