ハードコアパンクのDJセットにまさかの来客!

一回ね、小林さんが俺のDJを聴いたことがあって。4年か、5年前かな。Idol Punchっていうハードコアのバンドがいるんですけど、結構ベテランのね。そこにリーダーのRaccoっていうのがいるんですけど、彼が色々お店とかやってて、そっちのつながりで小林さんと知り合いらしくて。で、Idol Punchが毎年、年末に下北沢の『SHELTER』でイベントやってて、そこで俺が対バンっていうかDJするんですけど、そこに一回、小林さんを連れてきたことがあったんだよね。

で、俺が年末にそこでやるDJセットっていうのはいつものセットと違うものなんですよ。ちょっとハードめのテクノとか、ハードコアパンクとかかけるんですけど、小林さんはその一回しか見たことないから、たぶん、理解するの難しいだろうなっていう(笑)。

「よかったよ!」とか言ってるけど、こっちも複雑な心境っていうか。逆の立場でいうと、小林さんのラーメンは食べたことないのに、小林さんの作ったカレーだけ食べて「最高!」って言ってるような(笑)。

それはよく憶えてますね、「福寿」以外で会ったのは後にも先にもあの時だけっていう。

――当時、ツイートされていた写真のちょっとよそ行きの小林さんに驚いたのを憶えています。

長靴を履いてない小林さんを初めて見た(笑)。

ラーメンより失ったもの…電気グルーヴ・石野卓球が語る「福寿」_b
お店の小林さんはいつも半ズボンに長靴だった

――ここ最近でも卓球さんは「福寿」では基本的にはシンプルな「ラーメン」を食べていたんですか?

貧乏時代は給料が入ったら『上チャーシュー』あと『上五目』っていう風にしてたんですけど、たまに行くようになってからはバックトゥベーシックじゃないけど、やっぱり『ラーメン』に戻るんですよ。でも、たまに行くと小林さんが気を遣って麺を大盛りにするんですよ。

あと、『上チャーシュー』みたいなトッピング、玉子とか。ありがたいんだけど、俺は本来の「福寿」が食べたいのに、カスタマイズされた『卓球スペシャル』みたいなの出してくれることが多くて、何回かそれが続いたんで、言ったんですよ。「小林さん、本当にありがたいんだけど、普通のが食べたい」て(笑)

そういうやり取りもあったりして。その後は普通の『ラーメン』を出してくれるようになったんですけど。

ラーメンより失ったもの…電気グルーヴ・石野卓球が語る「福寿」_c
一番シンプルな「ラーメン」はこんな感じ