徹底的に渋谷の風景を再現した作品だが、そもそもMAJIRI氏はなぜこの作品を作ったのだろうか?
「日本の代表するスポットです。それを一回は再現してみたいという思いがありました」
幼少期からジオラマが大好きで、当時からジオラマを作ったり、他の制作者のブログを読んだりしていたMAJIRI氏。大学生の時、友人から「渋谷のジオラマを作ってほしい」という声があったという。そこに前々から抱いていた気持ちも重なり、制作を開始した。
「日本の都市風景ってすごく魅力的で。昭和の時代から、高速道路ができてオリンピックがあって…と、どんどん発展してきました。都市高速が走っていたり鉄道が通ったり、それらが入り乱れてごちゃごちゃした街並みになりましたが、そこに魅力を感じます。
特に渋谷は、再開発を行っていてずっと工事しているような変化の激しい街です。広告なども多種多様で、時代が進むごとに移り変わります。そういう絶えず変化している街なので、その瞬間を、特に僕が一番よく知っている平成の時代を、形に残してみたいなという思いもありました」
令和の現代、新型コロナウイルス感染症が拡大し、外出する人は減ってしまった。また、そのために当時在学中だったMAJIRI氏も大学になかなか行けなくなった。家でできることは何か考え、大好きなジオラマ制作に立ち返ったという。そして、「それが仕事になれば」との思いも芽生えた。
「渋谷のスクランブル交差点もコロナ禍で人の往来が減ってしまいました、だからこそ、平成のごちゃごちゃした渋谷を再現したいなと思いながら、約1000体のフィギュアを1ヶ月ほどかけて色付け・配置を行いました」