アメリカで起業した大橋氏は、「すごい会議」の提唱者であるハワード・ゴールドマン氏(以下、ハワード)に出会い、そのセッションを受ける。短期的かつ明確で、インパクトがある「戦略的フォーカス」を立て、組織として再スタートを切ったが、依然先行きは不透明だ。そんななか、さらなるトラブルが起こってーー。
障害になっていることは何か
さて、そんなある日、ジェニファーが突然会社を辞めると言い出した。どうやら先週見かけたもぐろ氏はヘッドハンターだったようだ。
当時シリコンバレーはすごい人手不足で、優秀な人間なら、マーケティング、営業、技術、とにかくひっぱりだこだった。
エンジニアのダンも、僕らの会社に入る前に「職場探してます」というメッセージをウェブに掲載したら、1週間で30社からコンタクトがあったそうだ。
アンディーと僕が必死に説得したが、彼女の意思は固い、そこで僕らは、ダメモトでハワードに電話をして助けを求めた。
彼は、「わかった。話をしてみる」と一言だけ言って電話を切った。
翌朝ジェニファーは、僕たちのところに「退職届」を持ってきた。
ハワードといえども、ジェニファーの意思を覆すのは無理だったようだ。
退職届を読んでみる。
私ジェニファーは、1ヶ月後の○月×日に退職させていただきます。
その理由は、マネジメントの意思決定に十分参加できていないこと
わが社の資金がもう少しで底を突きそうなところ
資金を得たとしても、自分の持っている株が0.5%しかないことです。
もしも、1ヶ月以内に上記の内容が是正されるのでしたら、ぜひこの会社を辞め
ずに働き続けたいと考えております。
○○○○年○月○日 ジェニファー