金玉を揉むことで生まれる意外な効果

ちなみに、同じく森田先生の漫画『べしゃり暮らし』でも、“金玉”にまつわる印象的なシーンが登場する。

コミックス20巻に収録。日本一おもしろい漫才師を決めるお笑いグランプリ・NMC(ニッポン漫才クラシック)の決勝の放送直前。セット裏では、出場者たちが緊張を隠せず、中でも兄弟漫才コンビ「ぷりんす」の兄が、貧乏ゆすりが止まらないでいた。そうしていると、NMC元王者・菊池から「金玉揉むといいよ」と語りかけられる。

『べしゃり暮らし』 ©森田まさのり/集英社
『べしゃり暮らし』 ©森田まさのり/集英社

なんでも、緊張しているときは自律神経の作用で金玉が縮み上がっているため、それを揉むことで無理やりリラックス状態と同じようにダランとさせれば、心が落ち着くという。握り金玉ならぬ、揉み金玉といえそうだ。

これを聞いた出演者たちは各々金玉を揉みだし、主人公の上妻圭右も、好きだった美人MCが近くにいても脇目も振らず、真剣な顔でギューッと自分の金玉を揉んで本番に備えた。

『ろくでなしBLUES』の「握り金玉」のみならず、『美味しんぼ』の「究極」や『レベルE』で「斜め上」という言葉を初めて知って、意味を知って驚いたという人は少なくないはずだ。

漫画のセリフはじつにたくさんのことを教えてくれる。

取材・文/集英社オンライン編集部