野球マンガ史に残る名主将、成長著しい天才打者
■三塁手:『キャプテン』『プレイボール』より、谷口タカオ
※キャプテン「月刊少年ジャンプ」1972年2月号~1979年3月号連載(全26巻)/ちばあきお
※プレイボール「週刊少年ジャンプ」1973年27号~1978年31号連載(全22巻)/ちばあきお
※プレイボール2「グランドジャンプ」2017年9号~2021年11号連載(全12巻)/コージィ城倉
ホットコーナーである三塁手には、野球マンガを最もホットにしたこの選手を外すわけにはいかない。野球マンガの金字塔『キャプテン』シリーズ最初の主人公で、スピンオフ作品『プレイボール』でも人気を博した谷口だ。
その存在は野球マンガの代名詞といっても過言ではなく、ジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」の「努力」の2文字がこれほど似合う選手もいないだろう。
また、2017年には同作のファンを自認するコージィ城倉の手によって『プレイボール2』が続編として連載開始。ちばあきおの逝去によって未完となっていた名作に、30年越しで新たな命が吹き込まれることとなった。
「作品での重要性はもちろん、三塁手としてシンプルに評価しても谷口の優秀さは光ります。とくに『プレイボール2』ではドラフト候補に挙がってもおかしくない活躍ぶりです。『キャプテン』『プレイボール』の引っ込み思案な谷口しか知らない読者の方たちには、ぜひ今の谷口も知ってもらいたいですね」(ツクイ)
■遊撃手:『BUNGO-ブンゴ-』より、野田幸雄
※「週刊ヤングジャンプ」2015年3号~連載中(既刊30巻)/二宮裕次
中学野球を代表する野球人、谷口タカオと三遊間を組むのは、同じく中学野球を代表する野球人、野田幸雄だ。
「揺るぎない意志」でこれと決めたことにはとことん熱中する鉄腕サウスポー、石浜文吾が「投」の主人公なら、「打」の主人公が野田。U-12、U-15日本代表でクリーンナップを務めた天才打者であり、自分にも他者にも厳しく、野球に対する姿勢では文吾に負けず劣らず、「揺るぎない意志」を秘めた人物だ。
「バッターとしての実力はもちろんのこと、守備力、野球脳のレベルも高い野田はチームのセンターラインにぜひとも据えたい選手。とくに、世界大会での覚醒後は頼もしさが増しています」(ツクイ)
野田への期待の高さの所以はまだ発展途上であること。自分の成長が止まってしまったのではないかと焦り、「俺は…センスと技術にかまけて 上辺だけの薄っぺらいものしか…!!」と悔恨する場面があるが、そんな姿を見て周囲は「天才が天才であることに気づきもせず 努力を重ねている」と畏怖している。これでまだ中学3年なのだから恐れ入るばかりだ。