犬用おしっこシートを愛用していた“潮吹き”チャットレディ
ここまではリアルな性的サービスを提供するデリヘル嬢の話をしてきたが、最後に、オンラインでライブチャットを行い、性的サービスを提供する“チャットレディ”の納税事情にも触れておきたい。
ライブチャットとは、オンラインプラットフォームにおいて、配信者と視聴者がリアルタイムでコミュニケーションをとるサービスのこと。「配信者=チャットレディ」は専用のプラットフォームを提供する会社と業務委託契約を結んでおり、デリヘル嬢などと同じ個人事業主に当たる。視聴者の支払った料金や投げ銭から、運営会社の取り分を差し引いた金額が利益となるのだ。
特殊な経費を計上しようとしたチャットレディもいる。例えば、「犬用のおしっこシート」だ。
彼女のライブ配信は一種のショーになっており、前半は胸を見せるシーンが山場、後半は“潮吹き”が山場だった。配信場所は彼女の自宅のため、潮吹きで床がびしょ濡れになると掃除も大変になってしまう。そこで、犬用のおしっこシートを敷くことで対応していたのだ。
彼女は「他人よりも潮を吹く量が多いかも」と懸念するほどで、犬用のおしっこシートは業務上不可欠なものとなっていた。ちなみに、電動バイブやピンクローターなどの大人のおもちゃも配信に必要だった。
ところが、これらのアイテムを経費として計上しようとしていた矢先、なんと、このチャットレディは「わいせつ物陳列罪」で逮捕されてしまったのだ。ちなみに、おしっこシートや大人のおもちゃは逮捕時に押収され、その後もチャットレディ本人のもとに返却されることはなかったという……。
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全4回にわたって夜職の納税事情を紹介してきたが、どんな業界であろうと納税は国民の義務。
今年はインボイス制度導入後、初の確定申告でもある。
個人事業主にとっては例年よりも作業の負担が重くなるケースも増えるかもしれないが、法令にのっとって適切に申告、納税してほしい。
取材・文/丸山ゴンザレス 取材協力/税理士法人松本