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DNAの検体を親戚に依頼したところ「拒否します」

社会部デスクが解説する。

「桐島とみられる老人は、“内田洋(ウチダ・ヒロシ)”と名乗って神奈川県藤沢市内の工務店で約40年も前から住み込みで働いていました。身長160センチで身体的特徴は桐島容疑者と矛盾はないものの、顔は整形をしていたとみられ、お馴染みの手配写真とは似ても似つかなかった。工務店関係者が “ウチダ”として長年接してきたものの、全く気づかなかったのも無理はありません。

しかし、偽名のため健康保険証は取得できず、1年ほど前に体調不良に陥った際も自費で医療機関を受診し、胃がんと診断されたようです。通院はしたものの回復せず、今月に入って工務店の寮の近くの路上で倒れ込んでいるところを近所の人が見つけ、近くの大型総合病院に搬送されたときも『ウチダヒロシ』を名乗っています」

指名手配をされていた桐島聡容疑者
指名手配をされていた桐島聡容疑者
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しかし、死期が近いことを悟ったのか25日、“ウチダ”は病院関係者に「本当は桐島聡です」と打ち明け、神奈川県警と警視庁のドタバタが始まった。社会部デスクが続ける。

「病院に警視庁公安部の担当者が聞き取りに行ったところ、手配の桐島聡と矛盾するような供述はなかったものの、ときおり意識を失うなど既に危篤状態に近かった。本人はもちろん自分の疎明資料を持っていませんから、頼みの綱はDNA鑑定になる。

ところが照合用のDNAの検体の提供を桐島のある親戚に依頼したところ、あっさりと『拒否します』と断られたようです。無理もありません、親戚からしたら桐島容疑者のおかげでこの50年近く世間からは疎まれ、公安関係者から見張られ続けてきたわけですからね」

東アジア反日武装戦線「狼」「大地の牙」「さそり」の3グループが犯行に及んだ三菱重工ビル爆破事件の現場となったビル(写真・産経新聞社)
東アジア反日武装戦線「狼」「大地の牙」「さそり」の3グループが犯行に及んだ三菱重工ビル爆破事件の現場となったビル(写真・産経新聞社)

そして老人は「自称桐島」のまま29日、絶命。警視庁公安部は被疑者死亡で書類送検をするため、粛々とホトケが指名手配容疑者だったことを証明する作業を続けるしかなくなった。