一人で前を向いて歌うとか得意じゃない
──ずっとトップアイドルで、アイドルって片方で一つの仮面を被るようなイメージもありますが、何かスイッチのようなものはあるんですか?
全然ないです。当時はメンバーのみんなと一緒だから、そういう風に見えた瞬間もあったかもしれませんが、一人だったら確実にアイドルにはなれてないですし、私はそんなとこにいなかったと思うんです。
だから一人で何かやるっていうのは未だに慣れないんです。役者はみんなで、それもチームでやるものですから。でも、チームでやっていたとしても一人舞台とかは絶対できないと思います。
相対する人がいると安心して何かを創るということを楽しめるのですが、一人で前を向いて歌うとか得意じゃないんです。
ふだん、テレビに出ても、例えば今このインタビューで喋ってても、友達の前でも家族の前でも、私は多分このままなので、噓がつけないんです。不器用なのだと思います。
──撮影を通してご自身の成長を感じた部分はありましたか?
撮影期間は1週間もなかったんですが、凝縮された密な現場でしたので、集中力が鍛えられました。
──本作を待ちわびるファンへメッセージを!
監督自身の47年前の事件がベースになっているとはいえ、純粋に映画として楽しんでいただける作品だと思います。
3つの場所で撮られた映像を綴った作品なのですが、それぞれみんなが自身と向き合い、そしてある意味、彼らが自分を解放するような瞬間があって、それがどこかで気持ちよく観ていただけるんじゃないかなと。
そのとき自分の心に何が残ったのか?みたいなご自身の気持ちを大事にしていただきたい作品です。観た方がそれぞれご自身での答えを見つけていただけたらと願います。
取材・文/米澤和幸(lotusRecords) 写真/殿村忠博
ヘアメイク/高橋里帆(HappyStar)、RIHO TAKAHASHI (HappyStar)
スタイリング/有本祐輔(7回の裏)Yusuke Arimoto (7kainoura)
衣装クレジット/・トップス ¥45,100 GANNI /ガニー (GANNI /ガニー)
customerservice@ganni.com ・スカート ¥35,200 GANNI /ガニー (GANNI /ガニー)
customerservice@ganni.com ・ピアス(ストローラーPR) ¥20,900 Rieuk / リューク (Rieuk / リューク) info@rieuk.com ・リング(ブランイリス) ¥33,000 ブランイリス トーキョー (ブランイリス トーキョー) 03-6434-0210
映画
『一月の声に歓びを刻め』
2月9日(金)テアトル新宿ほか全国公開© bouquet garni films
出演:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔、坂東龍汰、片岡礼子、宇野祥平、原田龍二、松本妃代、とよた真帆
脚本・監督:三島有紀子
オフィシャルサイト:https://ichikoe.com/
【あらすじ】
北海道・洞爺湖。お正月を迎え、一人暮らしのマキの家に家族が集まった。マキが丁寧に作った御節料理を囲んだ一家団欒のひとときに、そこはかとなく喪失の気が漂う。マキはかつて次女のれいこを亡くしていたのだった。それ以降女性として生きてきた“父”のマキを、長女の美砂子は完全には受け入れていない。家族が帰り静まり返ると、マキの忘れ難い過去の記憶が蘇りはじめる……。
東京・⼋丈島。⼤昔に罪⼈が流されたという島に暮らす⽜飼いの誠。妊娠した娘の海が、5年ぶりに帰省した。誠はかつて交通事故で妻を亡くしていた。海の結婚さえ知らずにいた誠は、何も話そうとしない海に⼼中穏やかでない。海のいない部屋に⼊った誠は、そこで⼿紙に同封された離婚届を発⾒してしまう。
⼤阪・堂島。れいこはほんの数⽇前まで電話で話していた元恋⼈の葬儀に駆け付けるため、故郷を訪れた。茫然⾃失のまま歩いていると、橋から⾶び降り⾃殺しようとする⼥性と出くわす。そのとき、「トト・モレッティ」というレンタル彼⽒をしている男がれいこに声をかけた。過去のトラウマから誰にも触れることができなかったれいこは、そんな⾃分を変えるため、その男と⼀晩過ごすことを決意する。やがてそれぞれの声なき声が呼応し交錯していく。