細野と中田がギター、大瀧はドラムというトリオ、まさかの不合格

音楽の成り立ちやソングライターの作家性について、メロディーラインからアレンジや構造的なものを勉強しながら、音楽学校で教育を受けなくても、ロックは自分たちで曲作りができるということを模索していく。

やがて自作の曲やアイデアを互いに持ち寄って発表するくらいになったころ、3人は新宿にある『フォーク・ビレッジ』という店のオーディションを受けることにした。

「ランプポスト」というバンド名で、細野と中田がギター、大瀧はドラムというトリオでオーデションに挑んだ。

歌ったのはサイモン&ガーファンクルとアソシエイションのカヴァーだったが、あっさり不合格となったことで、「ランプポスト」の活動は凍結されることになった。
 
細野はそのすぐ後に松本隆と出会って「バーンズ」に参加を決め、約1年の活動を経てから、松本と共にサイケデリック・ロック色を打ち出した「エイプリル・フール」に加わって、1969年秋にプロデビューする。

しかし、エイプリル・フールは最初のアルバムを完成させたまではよかったが、アルバム発売を前にしてメンバーの考え方が揃わなくなり、急遽バンドを解散することになる。

そこでドラムの松本とベースの細野が「ばれんたいん・ぶるう」を始めたところに、大瀧が加わって来て合流してバンドの基礎が固まり、さらにギターの鈴木茂が参加して「はっぴいえんど」誕生に至るのである。

1971年11月20日に発売『風街ろまん』(ポニーキャニオン)。名曲『風をあつめて』は収録されている、はっぴいえんど2作目のアルバム。グループが一番成熟していたであろう時期にリリースされた
1971年11月20日に発売『風街ろまん』(ポニーキャニオン)。名曲『風をあつめて』は収録されている、はっぴいえんど2作目のアルバム。グループが一番成熟していたであろう時期にリリースされた