首都圏で活動する指定暴力団幹部

半グレの若いヤツが「資金を出してほしい」というので、それなりの額を出してやった。すると、それからせっせとカネを持ってくる。どうせヤバイ仕事だろうから内容は聞かなかった。もし、この若いヤツが警察に逮捕された際に、取り調べで「仕事を始めたときの資金はどうした」となり、こちらが事情を知って資金を出していたとなったら自分にも捜査が及ぶかもしれない。余計なことは知らないほうがいい。

半グレの連中をかわいがっておく必要もある。一生懸命仕事して毎月のように必ずカネを持ってくる。真面目でかわいい連中だ。

持ちつ持たれつの関係が一部ではあるとしても、他方では暴力行使の専門集団である暴力団に対して腕力で対抗する半グレグループもいて、街中で事件が発生すれば一般市民の巻き添えの可能性もあり危険な存在であるのは間違いない。
半グレとヤクザの決定的な違いはどこにあるのか

2022年10月、東京・池袋の「サンシャイン60」58階のフレンチレストランで乱闘騒ぎが発生した。乱闘騒ぎを起こしたのは半グレグループ「チャイニーズドラゴン」で、レストランには約100人のメンバーが集まり貸し切りパーティをしていた。

「なぜ半グレのようなガキどもの捜査をしなければならない」警視庁が甘く見ていた半グレと暴力団の「持ちつ持たれつ」の関係_2

パーティが始まって間もなく怒声が響き渡り、「理由は分からないが、客同士がケンカをしている」と店から110番通報が入った。警察官が駆け付けると、頭部をけがして出血していた者数人を残して多くはすでに現場を立ち去っていた。

会場のあちこちでテーブルがひっくり返り、皿やグラスなどが割れた状態で散乱し放置されていた。パーティは刑務所に服役していたチャイニーズドラゴンの元リーダーの「出所祝い」だったという。そこに情報を聞きつけた別のグループが押しかけ、乱闘となった。

チャイニーズドラゴンとは中国残留孤児2世、3世たちを中心にして結成された暴走族グループ「怒羅権」(ドラゴン)が源流とされている。1990年代に暴走行為を繰り返していただけでなく、暴力事件も引き起こしていた。次第に日本人も加わり組織が大きくなっていた。警察当局によると、チャイニーズドラゴンは全国で約1500人が確認されており、東京都内では約400人となっている。