総務会長が「減税解散総選挙」を示唆?
これに呼応するかのように森山裕総務会長は10月1日、北海道北見市での講演で岸田政権が減税を検討していることについて触れ、「税に関することは国民の審判を仰がなければならない」と述べた。
防衛費増額のための増税を決めた際には国民の審判を仰がなかったことを考えると、何とも都合のいい解釈だが、まるで減税解散総選挙を示唆するような発言に永田町の警戒感は高まっている。
なぜ、岸田首相のイメージ転換を図ってまで、早期解散が模索されているのか。それは、来年秋の自民党総裁選までの間に内閣改造をするタイミングがなく、今のままでは不人気内閣を抱えたまま総裁選に突入することになってしまうためだ。
内閣改造は国会が開いていない閉会中に行われることが多いが、そうすると来秋までの間には今年の臨時国会後(=冬)と、来年の通常国会後(=夏)しかない。
今年の冬は再び改造するにしては早すぎるし、来年夏は9月に総裁選が控えていて、再選した後に組閣することが一般的であると考えると、このタイミングの改造も考えにくいだろう。
支持率が上がらないまま、不人気内閣を引っ張って来秋の総裁選を迎えれば、「岸田首相では選挙を戦えない」と総理総裁の座から引きずり降ろされる可能性がある。
現在の衆議院議員の任期は2025年10月なので、総裁選から間もなく総選挙があることを考えると、自民党議員が岸田首相を見る目は当然厳しくなる。