減税案をともに考えたのは木原幹事長代理

一方、岸田首相は29日、臨時国会に補正予算を提出すると明言した。永田町では解散があるとしたら補正予算が成立した直後になるという観測が強まっている。ただ、岸田政権の支持率は依然として低いままだ。

報道各社が行った世論調査では内閣改造後も支持率は上がらず、それどころか毎日新聞と産経新聞の調査では支持率が下がる結果に。

要因としては、岸田首相が党内基盤の安定を優先したあまり、政権の中心メンバーが変わらなかったことや、過去に政治資金問題を引き起こした小渕優子氏が選対委員長に抜擢されたことなどが挙げられる。だが、そもそもトップの首相本人に人気がないことも大きいだろう。

X(旧Twitter)上では岸田首相を揶揄する「増税メガネ」「増税クソメガネ」が何度もトレンド入りした。

10月から始まったインボイス制度によって、これまで年間売り上げ1000万円以下で消費税が免税となっていた零細事業者も、その多くが今後は消費税を納税することとなり、実質的な増税となっているからだ。

岸田首相はこれまでも、防衛費の大幅増額のために法人税、たばこ税、復興所得税の増税を決めており、「異次元の少子化対策」の財源をめぐっては社会保険料の上乗せが検討されている。

“増税クソメガネ”こと岸田首相(本人Faccebookより)
“増税クソメガネ”こと岸田首相(本人Faccebookより)

今や「岸田といえば増税」の感すらある岸田首相だが、官邸はそのイメージ払拭に躍起だ。岸田首相は9月25日、10月に取りまとめる経済対策の5つの柱を発表するなかで、「成長力強化に向けて賃上げ税制の減税制度の強化」「特許などの所得に対する減税制度の創設」「ストックオプションの減税措置の充実」と、「減税」という単語を連発した。

まるで自身についた「増税」のイメージを「減税」によって中和しようとしているかのようだ。

永田町関係者は「“増税クソメガネ”というあだ名がつけられていることは岸田首相自身も気にしている。今回、減税を前面に出して発信しているのも、週刊誌報道を受けて官邸を去った後もなお側近として影響力を持つ木原誠二幹事長代理とともに考えたと言われている」と語る。