「打たれても、0点で帰ってきたらOK」ブルペンの共通認識

――まずは、1年間おつかれさまでした。リーグ3連覇おめでとうございます。今季は阿部選手にとってどんなシーズンでしたか。

阿部翔太(以下、同) オープン戦は調子よかったんですけど、開幕戦でいきなりホームランを打たれて、自分のなかでも「あれ?」って感じでうまくいかなくて、最初全然ダメでファームに落ちて苦しみましたね。

――昨季は44試合に登板して防御率0.61という凄まじい成績でしたからね。

そうですね。自分のなかでも上出来すぎだっていうのはわかっていたので、逆に今シーズン序盤につまづいたことで自分を見つめなおせた部分があって、もしあのまま最初からうまくいっていたら、後半でダメになっていたかもしれません。去年はずっといい状態でシーズンを終えて、今年はいいときも悪いときも経験できたので、そこは自分のなかでも今後に生きると思っています。

©ORIX Buffaloes
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――序盤は打たれたりもしましたが、シーズン中盤には19試合連続無失点と安定感を取り戻しました。ターニングポイントになった試合や一球があったんでしょうか?

交流戦の中日戦(6月2日)でイニングまたぎをしてるんですよ。そのとき、満塁のピンチはつくったんですけど、なんとか無失点に抑えて、そこから連続無失点が始まりました。去年は打たれてピンチをつくってもなんとか無失点で帰ってくることが多かったんですが、今年はそこの粘りがなかったんで。あの試合を0点で抑えたことが今年なんとか立て直せた要因かと思います。あそこで点を取られてたら、あのままガタガタ崩れてたかもしれません。

――守護神の平野佳寿選手もそうですが、打たれてランナーを出しても粘って抑えるというのが、オリックスの強力リリーフ陣の特徴のような気もします。

そういう話はよく話しますね。中継ぎ、リリーフは打たれても0点で帰ってきたらOKだと思っています。もっと言えばクローザーは点を取られようが、勝てばOKなんで。もちろん試合展開とか流れもあるので、打者3人で抑えられたほうがいいんですけど、とにかく0点で帰ってきたらOKとリリーフ陣は思って投げています。