「コア」を探す

あなたが友人や知人と、好きなアニメについて語り合ったとします。その際、「そのアニメ、どこがいいの?」と聞くと、「えっとね、ある国にイケメンのスパイがいてね、そのスパイがどうしても任務で家族を持たなければならなくなって、まったくの他人から選んだのが暗殺者である奥さんと超能力を持つ娘で……」と、内容をイチから話し出す人がいないでしょうか。

私はこれを、「読書感想文教育の弊害」だと感じています。感想文を書くのが苦手な子は、つい原稿用紙をあらすじで埋めようとします。また、中学受験では感想文や小論文が受験科目にあるため、まずあらすじをまとめ、作者の言いたいことに自分の経験を混ぜて書くといった「型にハマった」書き方を教え込まれます。

ですが、大切なのはあらすじをまとめることではなく、物語のコアを見つけ出すことです。物語のコアとは、その物語のなかでもっとも魅力的な部分です。
あの戦闘シーンがよかった、あの会話が泣けた、あの音楽が最高にしびれた、そんな心を強く動かされた、たったワンシーンでいいのです。

伝え方においても、「相手にいちばん伝えたい魅力的な部分」がコアになります。
あなたの伝えたいことのなかで、それはいったいなんなのか。
「伝えたいことのコア」をひとつに絞って伝えることを意識していきましょう。