一軒家に比べてマンションはさらに注意!?
不動産相続で困らないためには…
空き家問題は一軒家に限った話ではない。分譲マンションはさらに注意しなければならないそうだ。
「一軒家以上にマンションの空き部屋は厄介です。自分の部屋だけを一生懸命リフォームやリノベーションしても、マンション自体の設備や環境が古ければ売れにくくなってしまうからです。
そして、マンションの共用部分を整備し直してほしいと考えたり、いっそのことマンション全体を取り壊してほしいと考えたりしても、他の住民の反対が多ければ実現不可能です。
そのため相続してしまうと、一軒家と比べて自由度が低いうえに、毎年の固定資産税や、毎月の管理費、修繕積立金などがかかり続けるため、“負の遺産”となりかねないのです」
最後に、自身が相続する可能性がありそうな不動産がある場合の注意点は?
「ネット検索をすれば不動産屋に行かなくてもだいたいの相場はわかりますので、自分が相続しそうな不動産の価値は今からでもチェックしておくべきです。そして“負の遺産”になりそうな場合は、そういった空き家を放置した状態が長引くほど問題は深刻化していくので、その不動産をどうするべきか、なるべく早めに親族で話し合ったほうがいいでしょう。
特に地方や郊外の不動産は今後価値が上昇する見込みはほとんどないため、できるだけすぐに売るというのが最善の対処法になります。実際に相続してからでは後手にまわってしまいますので、両親や親族同士で持っている不動産情報を開示しておくことも重要です」
取材・文/逢ヶ瀬十吾(A4studio)