『クレヨンしんちゃん』『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』の家の資産価値
相続した家にどのくらいの資産価値があるのか、さらにいうと売却する場合にどれぐらいプラスになるのかマイナスになるのか、見当がつかないという人も少なくないだろう。
そこで、国民的アニメともいえる3番組『クレヨンしんちゃん』『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』に登場する家を例にうかがってみた。
まずは平成初期(昭和後期)に建てられたであろう『クレヨンしんちゃん』の一戸建て住宅。
今回は『クレヨンしんちゃん』の家を【春日部駅(埼玉県春日部市)から徒歩約8分】・【敷地面積:115㎡】・【4DKの木造二階建て】・【平成初期(昭和後期)に建築】と仮定する。(※公式設定ではなく本稿独自の仮定のデータ、以下同)
「この情報だけでは詳しく査定はできませんが、木造家屋は法定耐用年数が22年とされており、不動産業界ではこれに倣っておおむね築25年以上の木造家屋については価値ゼロと査定するのが慣例です。
そのためこの建物自体にはまったく価値がないので、150~200万円かけて更地にすることが前提になります。そして春日部駅から徒歩10分程度の土地であれば、1坪あたり20~30万円程度で売れるでしょう。
115㎡は坪数にすると35坪程度なので、仮に坪20万円だとしたら700万円程度、坪30万円なら1050万円程度で売却できる計算です。ということで低く見積もっても500万円以上はプラスになりますので、いわゆる世間で騒がれている“昭和の負の遺産”には該当しない物件と言えるでしょう」
では次に『サザエさん』の家はどうだろうか。
今回は『サザエさん』の家を【桜新町駅(東京都世田谷区)から徒歩約5分】・【敷地面積:220㎡】・【5DKの木造平屋建て】・【昭和前期に建築】と仮定する。
「こちらも建物自体には全く価値がないので、売却しようと考えるならば解体するのが前提となります。ただ、世田谷区の桜新町駅から徒歩5分というかなりの好立地であることを考えると、1坪あたり150万円程度で売却できるのではないでしょうか。
220㎡は67坪程度になるため、1億円ぐらいの価値がある物件だと推定できますね。当然“昭和の負の遺産”どころか、立派な遺産と言えるでしょう」
『クレヨンしんちゃん』や『サザエさん』の家は、首都圏にあるため駅までの距離が資産価値に大きく関係するとのことだが、地方となるとそうとも限らないそうだ。そこで次は静岡県にある『ちびまる子ちゃん』の家で考えてみたい。
今回は『ちびまる子ちゃん』の家を【入江岡駅(静岡県静岡市)から徒歩約10~15分】・【敷地面積:約150㎡】・【4DKの木造平屋建て】・【昭和前期に建築】と仮定する。
「先の2例と同じく建物には価値がないので、解体するのが前提となります。ただし、地方にあるという立地や中途半端な土地の広さを考えると、坪あたり5万円〜20万円程度でしょうか。
しかし、解体して更地にしても需要があるかどうか微妙なところでしょう。最寄駅から徒歩で帰宅できる場所ではありますが、地方に行くほど車社会となるため、駅からの距離はさほど重要視されないからです。
売りに出したとしても“絶対に売れる”と保証できない条件ですので、この不動産を相続するとなるとかなり苦労することになりそうです。いわゆる“昭和の負の遺産”と呼ばれる物件に該当してしまう可能性はあるでしょう」