全身タトゥーの外国人と半裸写真も
「風俗で働いていることは、主人がマナミに貸していたiPadのメールソフト履歴や、使わなくなったiPhone端末から知りました。最初はガールズバーで、その後はメンズエステや風俗店で働くようになり、名古屋市内の公園でお客さんと待ち合わせて、ラブホテルに行っているようでした。
さらに、それで稼いだお金をすべてRの個人口座に振り込んでいることがわかりました。しかも総額3000万円も。どうやら膨れ上がった売掛金(ホストクラブのツケ制度)を返済し続けているようなんです」
その間も、カード会社からの督促状は実家に届き続けている。マナミさんは自身の借金は一切払わずに、ひたすらRへの売掛金の支払いを優先していたそうだ。
そして現在、マナミさんは海外にいるという。
「今年の9月中旬から海外の風俗へ出稼ぎに行っているようです。実は海外への出稼ぎは今回で3回目。過去の滞在時に撮ったのか、全身タトゥーまみれの外国人男性と半裸で映っているようなものもありました。娘がいつか殺されてしまうのでは、と気が気ではありません……」
マナミさんがRと出会って2年半。保育士時代の素朴な様子は完全に失われてしまった。本人はRから“選ばれた人間”だと思っているようで、今でも「彼氏を応援するためにお店に行くことがある」のだという。
だが、自身の彼女に店で数千万円規模のお金を使わせ、その支払いのために海外の風俗に出稼ぎに行かせる……そんな恋人関係などあるのだろうか。チカコさんは目に涙を浮かべて、心情を吐露する。
「何かに取り憑かれ洗脳されたように急激に変わっていく娘を目の当たりにし、本当に悔しかった。あの子を止めることはもうできない。きっといくら手を差し伸べようが、ダメなんです。自分自身が気付いてくれないと……」
自己責任といえば、それまでだ。チカコさんもそのことは重々に承知している。けれど、母親として願うことはただひとつ。
「Rに貢ぐために自分を犠牲にして風俗で働くなんて…彼にマインドコントロールされているということに、早く気づいてほしい」
娘を思うあまり「何度も死にたいと思った」というチカコさん。ノイローゼのような状態に陥る時期もあったが、依存支援団体によって今は何とか人前で話せるようになったという。
マナミさんは12月11日に海外から帰国する予定だが、母親の訴えをどこまで真摯に受け止めることができるのか。後編ではマナミさんの父から話を聞く。
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班