東京ディズニーリゾート人気の2つの要因

観光庁の「旅行・観光消費動向調査」に興味深い調査結果が出ている。

日本人1人当たりの旅行・観光における消費実態を調査したものだ。それによると、コロナ禍を経て1人当たりの旅行単価は上昇しているのだ。2019年4月の国内宿泊旅行の1回あたりの単価は6万1860円だった。ところが、2023年4月は6万9135円となり、1割以上の上昇を見せている。日帰り旅行にいたっては、1万6941円から2万552円へと2割上がった。

4月の国内宿泊旅行の単価の推移(※観光庁「旅行・観光消費動向調査」より 筆者作成)
4月の国内宿泊旅行の単価の推移(※観光庁「旅行・観光消費動向調査」より 筆者作成)

さらに旅行の経験率を見ると、宿泊旅行が2019年の9.29%から2023年は8.50%に低下。日帰り旅行は10.12%から7.97%に下がっている。同様に1人当たりの旅行の回数も減少した。

この結果を見ると、消費者が旅行の頻度を抑える代わりに、1回当たりの旅行で奮発する姿が浮かび上がってくる。東京ディズニーリゾートの入園者数が2019年の水準を回復しない理由も、ここに見出すことができる。

入園客1人当たりの単価1万6566円というのも絶妙な価格だ。観光消費動向調査の日帰り旅行1回あたりの単価は2万552円。全国から集客する東京ディズニーリゾートにおいては一概には言い切れないが、交通費などの諸経費を含めると、平均値に限りなく近づくだろう。旅行先としてちょうどいいレンジに収まるのである。