貴さんが予想する大谷翔平の移籍先
――大谷選手には移籍の可能性も浮上しています。
僕は日本も含めて10月の野球が一番好きなんですけど、今、MLBのプレーオフを見ていると、やっぱりあの舞台でプレーする大谷くんを見たいですよ。
もう全部の試合が甲子園の決勝みたいじゃないですか。あんなにお金をもらって、何不自由なく生活しているメジャーリーガーが、一球一投一打に集中している。高校生のように野球をやっていて、打てば「ウリャー!」って感じだし、ピッチャーは打たれれば膝に手をついてガクッとなる。
大谷くんは以前も「ヒリヒリするような9月を過ごしたい」って言ってたけれど、本当にヒリヒリした野球をやりたいんだと思う。WBCで優勝したときに帽子を投げて、グローブを投げてという姿を見ていると、このステージに立ちたいんだって。僕たちファンはそういうところでプレーする大谷翔平を見たいと思っているので、本当にプレーオフに出られるチームに行ってほしい。あれだけトラウトとかがいても、エンゼルスは6年間プレーオフに進めなかったわけじゃないですか。
――貴さんは大谷選手がもしも移籍するならどこのチームに行ってほしいですか。
ヒジを故障したわけなので、暖かいところがいい。西海岸だと僕は思うんですけどね。ロサンゼルス・ドジャースとか。大逆転があるとしたら、シアトル・マリナーズはあるんじゃないかなと思ってるんですよ。イチローもいるし。
今から7年前、大谷くんがMLBの移籍先にエンゼルスを選ぶって予想した人は誰もいなかったですからね。「えっ、エンゼルスに行くの」ってなったけれど、西海岸は暖かいし、ア・リーグでDH制もあるし、なるほど自由にやらせてくれるのかって。実際にエンゼルスではすごく自由にやらせてもらったじゃないですか。
だからまた、大谷くんは「えっ」ていうところを選ぶかなともちょっと思う。最近の話だと、来年1年間は単年契約でエンゼルスに残るっていう説も流れていて。そして2025年から二刀流でまた新たなチームにという。とにかくベストの選択をしていただいて、またすごいパフォーマンスをする姿をただただ僕らは見たいですね。
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取材・文/徳重龍徳 撮影/名越啓介