なじみのラーメン店で見せた藤井八冠の素顔
名古屋市内、中日ドラゴンズの本拠地・バンテリンドーム ナゴヤや、徳川美術館にほど近い場所にある「らあめん専門店 陣屋本店」。ここは師匠、杉本昌孝八段の将棋教室から徒歩10分程という立地もあって、藤井八冠は一時は毎月のように通っていたという。
店を切り盛りする女将さんは、藤井八冠の気さくな一面をよく見ていた。
「聡太さんを知ったのは中学2年生のころでしょうか。杉本先生と一緒によく来てくださっていました。
本当に麺類好きなようで、頼むのは決まって『チャーシューらぁめん』の大盛り。体は細いのに意外と食べるんですよね。
キノコ嫌いは有名ですが、メンマも嫌いなようで、いつもメンマを杉本先生にあげて、替わりにチャーシューをもらっています」
食事をしているときと盤面に向かっているときはまるで別人なのだという。
「おっとりしていて食べるスピードも遅めで、食べきるのに30分くらいかかることもありました。だから聡太さんがテレビで堂々と難しい話をしているところ見たときは、『こんな子だったの⁉』とびっくりした覚えがあります。
店で他のお客さんに『写真撮っていいですか?』と尋ねられて『はいはい、いいですよ』と応じるような、ファンにも優しい子です。
ちなみに杉本先生は会計のときに、『今ではこの子のほうが稼いでいますけど、支払いは僕なんです』、なんて冗談も言ってましたね(笑)」(同)
プロ棋士として、すでに数億円の収入を得ている藤井八冠。しかし、子どものころから贅沢とは無縁の金銭感覚を持っていたと話すのは東海研修会元幹事で日本将棋連盟公認の棋道師範の竹内勉氏だ。
「小学校高学年か中学生のころに、街中で喉が渇いたからペットボトルのお茶を買おうとなったときに、『自動販売機で買ったら負けだ』と言ったそうです。スーパーで買えばもっと安く買えるからと。
親御さんの教育がすばらしかったのでしょう。しっかりした金銭感覚ですよね」