「ネコがいなくなって…ネコが」と言いながら

違う住民女性の自宅には、渡部容疑者が猫を探して立ち入ろうとしたことがあったという。

「もう2、3年前の朝、出勤しようと玄関から外に出ると、ウチの敷地内に30代ぐらいの男性が入ってこようとしていました。私が驚いて男性を見ると『ネコがいなくなって‥ネコが』と言いながらウチの庭に入ってこようとしたので『うちにはおたくのネコはいませんよ』と諭すと『ネコが‥』と言いながらまたどこかに行ってしまいました。なんとなくですが、コミュニケーションが苦手なのかなという印象でした。この近辺で彼と似た30代ぐらいの男性がウロウロと徘徊していると噂になったこともありました。ただ、あの家の人が周辺とトラブルを起こしたこともなかったので、事件にはびっくりしています」

佐伯警察署(撮影/集英社オンライン)
佐伯警察署(撮影/集英社オンライン)

渡部容疑者のものかはわからないが、祖母宅の前には軽自動車がよく停まっていたという。

「正直、ほんとにどんな方たちが住んでいたのか知らなくて‥‥‥。ただ、あの家に頻繁に誰かが訪ねてきていたのは知っていますよ。ちょうど通り道なので、誰かが来ているときは家の前に軽自動車が停まっていましたから。それが容疑者なのか、被害者の車なのかはわかりません。ただ、容疑者の方に関してはかなりの頻度で来ていたと思いますよ。宅配の方が『あの家はおばあちゃんの代わりに若い男性が出てきて荷物を受け取ってサインする』と言っていたので、一緒に住んでると思っていたようです」(別の住人女性)

猫好きの青年で知られていた渡部容疑者は、小・中学生時代は目立たず、美少女で有名だった姉の陰に隠れた存在だったようだ。

「大地さんは小学校時代、授業内容によっては特別支援クラスにいました。体育などはクラスメイトと一緒でしたが、他の座学などは特別支援クラスで受けていた記憶があります。会話や意思疎通はできていたと思うので、中学に上がってからは普通学級だったと思いますが、周囲に馴染めずに友達もほとんどいなかったように思います。おとなしい性格でもあったので、それも関係しているのかもしれません。お姉さんは大地さんと年も少し離れてますが、モデルなど芸能のお仕事をしていてテレビでも活躍し、昔からとてもお綺麗だったので地元では有名でした」(小中学校の同級生の女性)

別の同級生の女性も、おとなしかった大地少年が起こした事件が信じられないようだった。

「小学生のころから口数が少なくておとなしい子でした。ただ、自分から話しかけたりはしないものの、何か聞けば問題なく受け答えしてくれてたので、なんで特別支援クラスで授業を受けているんだろうと疑問に思ってました。同級生達から避けられたりしていたわけでもないし、朝礼が終わるとクラスみんなで『いってらっしゃい!』と特別支援クラスに送り出してました。みんなから『大ちゃん、大ちゃん』ってよく声をかけられてたし、『どんな授業受けてきたの?』とか聞くと、よく話してくれてました」