管理職に相談したら説教の代わりに露骨な無視に…

一方、主幹に抜擢されるだけあって、北村容疑者は担当する理科の授業については「わかりやすくて楽しい」と生徒に評判だった。しかし、元同僚の女性は続ける。

「生徒たちからは『北村先生はとても怖い目をするときがある。雰囲気が怖くて、蛇みたいなあの目で睨まれると石みたいに固まってしまう』という話をよく聞いてました。鋭い目つきで生徒たちに有無を言わせないような説教をしていたようです。私も当初は悪い印象は持っていなかったのですが、担任と副担任というペアの関係になってから、生徒たちの言うことがもっともだと身にしみてわかるようになりました。とても怖い目つきで、反論させないような説教の仕方なんです」

動揺が広がる三原台中学校(撮影/集英社オンライン)
動揺が広がる三原台中学校(撮影/集英社オンライン)

女性が北村主幹との関係に苦しみ出すと、助け舟を出す周りの教員もいた。「このままではウツになる」と管理職に相談したこともあったが、逆にそのことが北村容疑者に伝わり、すると今度は説教の代わりに露骨な無視が始まったという。

「あの頃のことはずっとトラウマです。当時はいっぱいいっぱいで何度も夢でうなされることもありました。担任と副担任のペア期間は1年間でしたが、それだけ追い詰められたので、同じようなパワハラ被害に遭ってる人もいるんじゃないかと心配していました」

女性はそのショックもあってかその後退職した。今も北村容疑者によるトラウマが残っているという。

「いつかパワハラで問題になるのではないかとは思っていましたが、まさかわいせつ事案で逮捕されるとは驚きでした。でも当時から理科の担当だったので、理科準備室のような自由に使える密室もあったし、進路指導の先生でもあったから個人で呼び出しもできた立場です。もしかしたらと思うとゾッとします」

北村容疑者の再逮捕を受け、練馬区教育委員会は「被害に遭われた方、当該学校の生徒・保護者の方ならびに区民の皆様に対し、深くお詫び申し上げます」とホームページ上で謝罪。
集英社オンラインでは教育委員会の担当者に話を聞いた。

「区民のかたや、そうでないかたも含めこれまで70件程の御意見を受けました、多くが厳しい言葉だったと聞いています。これまで(三原台中学の)子どもたちに対し、アンケートや面談をしてきましたが、今後も心のケアにつとめていきます。
北村容疑者とは逮捕後、教育委員会の者が面会に行きましたが『大変申し訳ないことをした』と話していました。過去のパワハラの件については捜査もあるのでこちらからは控えさせていただきます」

                                     
学校や塾での教育者のわいせつ事件が立て続けに起きている。ストレス時代に生きる子どもたちの居場所がますます厳しく狭いものにならないことを、祈るしかない。

9月12日に開かれた教育委員会での会見(撮影/集英社オンライン)
9月12日に開かれた教育委員会での会見(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班