座右の銘は「耐えて勝つ」
――少し孤立感もあったと。
楽しくやろうってチームでしたからね。
しかもそこで大きめの肩のケガをして投げられなくなり、それでも休養なんてしてられないと走り込みすぎて足も故障して……そうやって精神的に自分を追い込んだこともあって、倒れてしまう頻度が増えてしまったのかと。
てんかんと診断されたとき、正直、「これで野球をやめられる」とホッとした気持ちもあったんです。
――そして現在は“野球Girl”インフルエンサーとして活躍してます。
肩のケガは手術しなくてはいけないほどだったんですが、しばらく野球から離れて久しぶりにキャッチボールをしたらかなりよくなってたんです。
「これ、きた」と思いましたね。これが自分の道なんだと。
――というと?
私より野球がうまい人なんてたくさんいる。
そんな私が大好きな野球、特に女子野球にできることってなんだろうと考えたときに、ありがたいことに私にはTikTokで100万人以上のフォロワーがいるので、そこで野球について発信すれば、普及活動になるんじゃないかと思ったんです。
――野球の神様が役割を与えてくれた。
故障しながら競技を続けてたら、きっと野球が嫌いになってたと思うので、そう考えるといい話ですね(笑)。
――ぜひこれからも野球の魅力を広めていってください。さまざまな紆余曲折を乗り越えて現在があるまつりのさん。あなたの座右の銘は?
「耐えて勝つ」です!
高校時代、自分はめっちゃうまかったわけじゃないから課題を野球ノートに書いて、それを先生に渡していました。すると、先生が一言書いて戻してくれるんですが、あるときこの言葉が書かれていました。高校野球の名門、明徳義塾の馬淵(史郎)監督の名言らしいんですけどね(笑)。
高校時代、休日だって休まずトレーニングしてもいい背番号をもらえなかったとき、倉庫にダッシュしてひとりで泣いたりすることもありましたが、耐えたことでいろんな経験をすることができました。
これからもこの気持ちを忘れずにがんばりたいです!
――いい意味で昭和!(笑)。本日はありがとうございました!
取材・文/武松佑季
集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/神田豊秀