〔〕内は集英社オンラインの補注です

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アメリカはチャイニーズ・マフィアの
脅威に気づくのが遅かった

『ドラゴンの系譜』の著者である海野氏は次のように警告しています。「アメリカはマフィアの犯罪組織に気をとられていて、中国の秘密結社の脅威について気がつくのがおそかった。1975年ごろからその犯罪が目立ちはじめ、1977年のゴールデン・ドラゴン・マサークルの後、(中略)トライアド〔三合会、香港を拠点とする幾数かの犯罪組織を総称する呼名〕、チャイニーズ・マフィアに関する本が出はじめている」

「中国の秘密結社は、数百年どころか数千年の歴史を持ち、その伝統は地下を脈々と流れているのだ。そして中国の秘密結社はドラゴンにたとえられる。竜の頭がちらりと地下からのぞく。やがてとめどなく長大な、果てしない竜尾が彼方ではねあがる。ニューヨークで頭をもたげた竜は、はるかにその尾を、香港から中国本土の奥深くまでのばしているのである」(同前)と。

「怒羅権」は日本人の差別や偏見に加えて、貧困が生み出した犯罪集団。ネパール人の「東京ブラザーズ」にベトナム人の「ボドイ」…日本社会で育まれる外国人犯罪集団の実態_1
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中国のトライアド(14K、潮幇=潮州幇など)、台湾の青幇〔チンパン。台湾の暴力団〕や竹聯幇〔ジュリェンパン。台湾台北市を拠点とする暴力団〕など、黒社会は果てしなく深く、暗いのです。日本のヤクザが日本人に恐れられたのは、彼らは対立した相手を最終的には「殺す」からです。筆者がチャイニーズ・マフィアを恐れるのは、彼らは金で相手を「簡単に殺す」からです。彼らにかかっては、命の値段が安すぎるから、日本の準暴力団や半グレ以上に恐ろしいと思えます。

2018年2月1日、沖縄タイムスプラスデジタル版に、「台湾マフィア、幹部ら十数人が来日沖縄の暴力団と接触」という見出しで記事が掲載されました。

記事によると「台湾有数のマフィア組織『竹聯幇』の幹部ら十数人が沖縄を訪れ、指定暴力団旭琉會の幹部らと接触していたことが(1月)29日までに、関係者への取材で分かった。県警は沖縄来訪の目的や両組織の関係性などについて情報収集を進め、警戒を強めている。関係者によると、竹聯幇幹部らは26日に来沖」とあり、台湾マフィアと国内暴力団との接近が窺われ、今後、台湾マフィアの日本流入が懸念されます。