また民間企業の反社データベースサービスも、100%正確とは限りません。各社が独自の手法で情報を集めているので、利用するサービスによって精度のばらつきもあります。情報が抜けていたり、間違っている可能性もあるので盲信するのはおすすめできません。
その上で、リスクを抑えるために反社データベース以外の手段も組み合わせて反社チェックを進めましょう。例えば、警視庁の組織犯罪対策第三課では「暴力ホットライン」を24時間開設しています。また各都道府県には「暴力追放運動推進センター」が設けられ、相談することも可能です。反社データベースでは引っかからないものの、どうしても不安を拭い去れない場合は電話で相談してみるとよいでしょう。
反社会的勢力の動きは時を経るごとに巧妙化し、その実態が掴みづらくなっています。会社にすり寄る”黒い影”を発見するために、企業は今まで以上に反社チェックに対する取り組みが求められていくでしょう。
あなたの会社にすり寄る”黒い影”を見抜く「反社データベース」とは何か?
企業にとって大きな脅威となっている「反社会的勢力」。指定暴力団の構成員であることを隠して企業活動や政治活動に従事する者も増え、その実態をつかむのは年々困難になっている。そのため、取引相手が反社会的勢力かどうか調べる「反社チェック」の重要性は年を追うごとに高まり続けている。そこで近年、注目を集めているのが「反社データベース」というサービスだ。今回は元弁護士でライターでもある福谷陽子氏が、反社データベースについて解説。果たして、反社データベースは反社会的勢力と向き合う企業にとって救世主となりうるのか?
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