共依存親子
過保護型の親のもとでは、子どもがなかなか自立することができません。同時に、親も精神的に自立できていないと言えます。子どもを依存させることで自分を満たしており、子どもが自分に依存しない未来が怖いのです。
ヒロカズの母親は、奇跡的に授かった息子を大事に思うあまり「ずっと自分のもとに置いておきたい」と考えてしまっていました。子どもが自立して、自分から離れていっては困るのです。
いつまでも援助を続けたいので、常に子どもからの援助要請を求めています。留年してレポートを書かなければならないことも、仕事が見つからないことも、「嬉しい」援助要請。代わりに何とかしなくてはと張り切っていました。
もちろん、子どもが困難に直面しているときにサポートするのは普通のことです。しかし、援助の仕方が間違っています。まずは話を聞き、どうやって乗り越えるべきか一緒に考えるというスタンスが必要でした。
このような親ですから、ヒロカズは依存することから抜け出せません。お互いに必要以上に依存しあっている状態=「共依存」に陥っていました。
共依存とは、特定の相手とお互いに必要以上に依存しあい、その関係性に囚われていることです。恋愛関係でも友人関係でも起こりますが、親子関係では、親が子どもを自分に依存させるように仕向けます。子どもに依存されていることで、自分の存在価値を見出しているため、親も子に依存しているわけです。
文/出口保行 写真/shutterstock
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