戻りたくはないけどやってよかった助監督
大学時代は自ら監督、主演で、自主映画も撮った。卒業後は就職せず、2年ほどフリーの助監督として活動。映画だけでなく、CMやミュージックビデオの現場にもついたという。
「低予算のインディペンデント映画が基本だったので、カチンコも打つし、お弁当の手配もする。だから私、ケータイにお弁当屋さんの電話番号がいっぱい入ってたんですよ。
戻りたいかと言われれば戻りたくはないですけど、助監督をやってよかったなとは思ってるんです。例えばオーディションは、会場のドアを開けた瞬間から、受かる人は受かるし、落ちる人は落ちるとわかる。だからオーディションで無駄な緊張をせずに済んでます。
あとは現場ではどこにいたら邪魔にならないかとか、今は何待ちの時間なのかとかもなんとなくわかるので、助かってますね。当時は忙しすぎて見られなかった現場を、今は少し客観的に見ることができる。より映画作りを楽しめている気がします」
もうひとつの職歴が、CMなどの「絵コンテライター」。もともと絵を描くことが好きだったという。
「絵コンテは10年くらい前から、今でも描かせてもらっています。私は誰かに学んだわけではなく、独学の、現場で学んだ系。CMだけでなく、通信教育の動画コンテンツのお仕事も長く続けさせていただいています。
絵コンテライターの経験も、俳優業に生きていて。例えばドラマに出演すると『割本』と呼ばれるコンテをいただくのですが、それを見るだけでどうやって撮るかがだいたいわかります」