失敗しても、前頭葉は活性化する
自分にとって有意義にお金を使うことで幸せを感じられ、免疫力アップや若返りに効果があるとお伝えしましたが、実はお金を使うことは前頭葉を活性化することもできるので、いいことずくめです。
前頭葉は、思考や感情、行動をつかさどる脳の部位で、脳の老化が最初に始まる部位でもあります。使わずにいるとどんどん萎縮していき、認知機能や運動機能の低下、それ以上に意欲の低下という悪影響を及ぼすのです。いま、もっているお金を何に使おうかと考えるだけで前頭葉が働くのですから、老化予防のためにはこれまでにやっていないことをやってみて、さらに前頭葉を活性化させることが大切です。
日本人は幼少期から「失敗してはいけない」ということばかり言われ、刷り込まれてきたので、失敗を恐れて実験をしないまま日々を過ごしている人がたくさんいます。
失敗しても、それをもとに組み直すことができるのが実験です。年をとって以前より時間があるなら、どんな小さなことでも毎日が実験だと思ってみて、ぜひ試してみるべきです。家族や医師から言われたとおりのことをやっているのは、実験ではありませんよね。
たとえば、気になるラーメン店に行列ができていて、「せっかく並ぶのに自分の好みでなかったらイヤだな」などとは考えずに、まずは並んで食べてみる、それが実験です。残念ながらおいしくなかったとしても、この実験は失敗だったが、その失敗は次へ生かすことができますよね。
その店はまずいということを学習できるし、若い人ばかり並んでいる店は高齢者には脂っこすぎると学習できるかもしれません。おおげさに聞こえるかもしれませんが、まずはこういった身近にできることから始めてみることを忘れてはならないということを肝に銘じて毎日を過ごすと、人生変わってくるものです。
「毎日が実験だ」と思ったら、なんだかワクワクして楽しくなってきませんか。スーパーで、聞いたことや見たことのない食材が売っているから、きょうはこれを使って料理をしよう。行きつけではない店に思い切って入ってみよう。聞いたことのない作者だが本屋で売れていそうだから読んでみようなど……。
このようにちょっとした実験を続けていれば、老後も退屈せず、楽しく過ごすことができるはずです。失敗することも、もちろんあるとは思いますが、全部失敗することって実はあまりないはずです。たとえ少ない回数だったとしても、失敗を恐れずに、すごく楽しかった、すごくおいしかったという経験をすることのほうが大切です。